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産業現場向け積層式表示灯の設計進化
シュナイダーエレクトリックは、日本の製造・物流現場を想定した次世代積層式表示灯を投入し、設備可視化と保全効率の向上を図る。
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シュナイダーエレクトリックは、産業現場の安全性と稼働効率の向上を目的とした次世代積層式表示灯「Harmony XV4(40mm)」および「Harmony XV6(60mm)」を、2025年12月15日より日本市場で発売する。製造および物流分野を主な対象とし、設備状態の迅速な可視化と保全作業の効率化を支援する。
製造・物流現場における状態可視化の要件
日本の製造・物流現場では、設備停止時間の最小化と保全工数の削減が重要な運用指標となっている。異常や稼働状態を作業者に即座に伝達できる表示機器は、ライン停止の判断や初動対応の迅速化に直結する要素である。
Harmony XV4およびXV6シリーズは、高輝度LEDと最大95dBのブザーを組み合わせることで、騒音レベルの高い工場や広い倉庫環境でも、視覚・聴覚の両面から状態変化を伝達できる構成となっている。
モジュラー設計による構成柔軟性と保全性
両シリーズの設計上の特徴は、用途に応じて構成を変更できるモジュラー構造にある。最大5段までの積層構成に対応し、LEDユニットは7色から選択可能で、点灯・点滅・フラッシュといった表示パターンにも対応する。
この構成により、ライン増設や仕様変更が発生した場合でも、ユニットの交換や追加によって現場対応が可能となる。設備全体を停止させることなく表示仕様を変更できるため、ダウンタイム削減と在庫点数の抑制につながる。
配線・設置工数を考慮した設計
Harmony XV4・XV6シリーズは、プッシュイン端子台を採用しており、配線作業の簡素化が図られている。取付方式は直付け、壁付け、ポール取付に標準対応しており、新設設備だけでなく既設ラインのレトロフィットにも適用しやすい構成である。
これにより、装置設計の自由度を維持しつつ、導入までの工期短縮が可能となり、保全対応の即応性向上に寄与する。
過酷環境を想定した耐久性と規格対応
産業用途を想定し、保護等級は最大IP65、耐振動性能は6G、使用温度範囲は最大-25℃から+50℃に対応している。粉塵や水滴、温度変動のある環境下でも安定した動作を前提とした設計である。
また、CE、cULus、CCC、RCM、UKCAといった国際規格に準拠しており、国内外の生産拠点を跨いだ設備設計においても共通部品として採用しやすい。
電源仕様と将来的な供給形態
電源仕様は、AC/DC 24V、AC 100~240V、USB 5Vに対応したモデルをラインアップしており、設備要件に応じた選択が可能である。発売初期はモジュール単位での受注となるが、将来的には構成済みのキッティング製品としての受注・出荷体制を構築する計画とされている。
産業オートメーションにおける位置付け
Harmony XV4およびXV6シリーズは、設備状態の即時可視化を通じて、現場の安全性と稼働効率を両立させるための表示デバイスとして位置付けられる。モジュラー設計と耐環境性能を組み合わせることで、製造・物流分野における柔軟な設備運用を支える構成となっている。
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