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熊本で特別高圧系統用蓄電所を共同推進

株式会社 KS エナジーと株式会社日立製作所は、熊本県内における特別高圧系統用蓄電所の開発・運用および電力トレーディング事業で協創する。

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熊本で特別高圧系統用蓄電所を共同推進

KSエナジーと日立製作所は2月6日、熊本県内での特別高圧系統用蓄電所の開発・運用および電力トレーディング事業への参入検討で協創することに合意した。再生可能エネルギーの出力変動に対応する調整力の確保と、市場取引を通じた収益化を両立する体制の構築を目指す。

九州における再エネ拡大と調整力不足
九州地方では再生可能エネルギー(再エネ)の導入が進み、発電量が需要を上回る際の出力抑制が頻発している。再エネは天候などにより出力が変動するため、需給バランスを維持する調整力の確保が系統安定化の課題となっている。

さらに、固定価格買取制度(FIT)からFIP(プレミアム付与型)制度への移行により、発電事業者には市場価格を踏まえた売電戦略の策定が求められている。このため、電力市場と需給調整市場の双方に対応できるアグリゲーション機能の重要性が高まっている。

特別高圧系統用蓄電池による需給調整
両社は、特別高圧帯系統に接続する蓄電所を共同で開発・運用する。電力需給バランスに応じて充放電を行い、調整力を供出することで、出力抑制の緩和と系統安定化に寄与する。

運用面では、市場価格予測、充放電計画の策定、蓄電所制御、市場取引までを一体で実施する計画である。蓄電所を単なる設備としてではなく、市場連動型のエネルギー資産として運用することを想定している。

プロジェクト開発の共同推進
日立は、系統用蓄電システムの導入実績を活かし、系統連系申請や関係省庁手続き、事業性評価の支援を行う。あわせて、日立グループによるPCS(電力変換装置)の提供、設備設計、機器調達、施工管理までを含むプロジェクトマネジメントを担い、開発初期から運転開始までを支援する。

この体制により、地域主導の蓄電所事業であっても、大規模電力インフラ開発と同等の技術基盤を活用できる構成となる。

電力トレーディング機能の強化
KSエナジーは、日立が開発予定の電力トレーディング支援システムの導入を検討する。蓄電池アセットの運用最適化と市場価値最大化を図ることを目的とし、需給バランス制御と市場取引を統合した運用を目指す。

日立は、Lumada 3.0の枠組みのもと、フィジカルアセットとデジタルデータを統合し、AIを活用した社会インフラ向けソリューション群「HMAX」を展開している。電力トレーディング領域でも、蓄電池の充放電計画最適化や収益最大化支援を通じたサービス提供を想定している。

地域金融との連携と事業モデル
KSエナジーは、九州フィナンシャルグループの肥後銀行が全額出資して設立された企業であり、銀行子会社の再エネ事業会社が特別高圧帯の系統用蓄電池事業に取り組むのは全国初の事例とされる。

今後は、肥後銀行と連携し、発電事業者支援や蓄電所開発事業者へのファイナンス支援も視野に入れ、金融とエネルギー事業を組み合わせた地域モデルの構築を進める。

九州におけるカーボンニュートラルへの位置付け
今回の協創は、系統用蓄電所の整備とアグリゲーション機能の強化を通じて、再エネの主力電源化と安定供給の両立を図る取り組みである。九州地域における電力の安定供給確保と、カーボンニュートラル実現に向けた実装事例の一つとして位置付けられる。

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