ルネサスは、コスト重視の先進HMIソリューションを実現するRZ/A MPUラインナップにRZ/A3Mを追加しました
128MB DDR3L SDRAMを搭載し、システムコストを削減しながら、30fpsのビデオ/アニメーションと最大1280×800解像度のカメラ表示を実現します。
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ルネサス エレクトロニクス株式会社は、大容量の128MB DDR3L SDRAM(同期式DRAM)を内蔵したRZ/A3Mを発売し、RZ/Aシリーズを拡充しました。最大1280×800、30fps(フレーム/秒)の滑らかな動画・アニメーション表示が可能で、家電製品、産業機器、オフィス機器、医療端末、ビルディングオートメーション機器などで、高品質なリアルタイムグラフィックスやカメラ画像を表示できます。
システムコストの低減と、開発期間の短縮が可能
RZ/A3Mは、高性能HMI機器のシステムコストの低減と、開発期間の短縮が可能となるよう設計されています。CPUには従来の「RZ/A3UL」と同様、最大動作周波数1GHzの64ビットArm® Cortex®-A55コアを採用し、128KB(キロバイト)のオンチップSRAMを搭載しています。RZ/A3Mは新たに、アプリケーションの実行に必要な画像などの大容量データを格納できる128MB(メガバイト)の高速DDR3L SDRAMをSiP(System in Package)で1チップに集積しました。これにより、外部メモリとの高速インタフェース設計が不要となり、さらにプリント基板上の配線ノイズも低減し、HMI設計の容易化と開発期間の短縮を実現します。
さらにRZ/A3Mは、設計が容易で安価な2層(両面)プリント基板を使用して設計できるよう、BGAパッケージの信号端子を、主に外側2列に配置しました。また外部フラッシュメモリは、QSPI経由でNANDとNORの両方をサポートしており、安価な大容量NAND フラッシュを使用することでコスト低減が可能です。
ルネサスのエンベデッドプロセッシング事業部、事業部長のDaryl Khooは次のように述べています。「ルネサスの RZ 製品として初めて大容量メモリを内蔵し、高性能ビデオ/アニメーション表示とシステムコストの低減を両立した RZ/A3M を発売できることを嬉しく思います。高品質なリアルタイムグラフィックスによる優れたユーザエクスペリエンスを提供し、設計の容易さとコスト効率を両立させることで、お客様は高度なHMIソリューションを迅速に構築できるでしょう。」
包括的な開発環境を提供
ルネサスは、基本ソフトウェアパッケージ(FSP)、評価キット、開発ツール、サンプルソフトウェアなどを含む包括的なHMI開発環境を提供します。特にHMIグラフィックスを迅速に開始できるよう、LVGL、Crank、SquareLine Studio、Envoxなどのパートナ企業のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)ソリューションも順次、RZ/A3Mで利用できる予定です。
RZ/A3Mの主な特長
- コア:最大動作周波数1GHz Arm Cortex-A55
- メモリ:オンチップ128KB SRAM(誤り訂正機能付き)搭載、128MB DDR3L SDRAM内蔵
- グラフィックス機能: 1280x800(WXGA)までの解像度をサポートするLCD コントローラ、パラレルRGB およびMIPI-DSI(4レーン)インタフェース、、2D 描画エンジン
- その他周辺機能: シリアルNOR/NAND フラッシュメモリ用QSPIインタフェース、SPI、I2C、SDHI、USB2.0、I2S、温度センサ、タイマ
- パッケージ: 244ピンLFBGA、17mm×17mm、0.8mmピッチ
ルネサスの豊富なHMIソリューション
ルネサスは、32ビットのRX、RAマイコンから、4Kディスプレイをサポートする64ビットRZ/Gシリーズまで豊富なHMIソリューションを提供しています。中でも、高速起動が可能な RTOS ベースのRZ/A MPUシリーズは、大容量メモリを搭載したマイコンと同じ使いやすさを実現しながら、高性能 HMI 機能を備えており、今回新たに、システムコストの低減と開発期間の短縮も可能なRZ/A3M が加わりました。
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