www.engineering-japan.com

リージョン対応のクラウド展開で拡張するオブザーバビリティ基盤

Grafana Labsは、日本企業のデータ主権とコスト管理要件に対応するため、マネージド型オブザーバビリティサービスをAWS東京リージョンで提供開始した。

  grafana.com
リージョン対応のクラウド展開で拡張するオブザーバビリティ基盤

製造業、金融、公共インフラなどの分野でオブザーバビリティの活用が進むにつれ、ログ、メトリクス、トレース、プロファイルといったテレメトリーデータの処理量が増大している。これに伴い、「データを国内に保持すること」と「大規模監視のコストを管理すること」が重要な運用課題となっている。こうした状況を受け、Grafana Labsはマネージド型オブザーバビリティプラットフォームGrafana CloudをAWS東京リージョンで提供するとともに、Bring Your Own Cloud(BYOC)モデルも日本市場向けに展開している。

リージョン展開とデータ主権への対応
AWS東京リージョン(ap-northeast-1)でGrafana Cloudを稼働させることで、企業はオブザーバビリティデータを日本国内で保存・処理できる。金融、製造、公共分野など、厳格なガバナンス要件を持つ業界では、国内データ保持が規制遵守や社内ポリシー対応を容易にする。

また、テレメトリーデータへの低遅延アクセスは、インシデント対応、パフォーマンス解析、リアルタイム監視といった運用ユースケースにおいて重要である。本番ワークロードと同一リージョンにオブザーバビリティ基盤を配置することで、大量データのクエリ時のネットワーク遅延を抑えられる。

オブザーバビリティ拡大とコスト増加
アプリケーションやインフラ、エッジ環境まで監視範囲が拡大すると、テレメトリーデータ量は急速に増加する。高解像度メトリクスや詳細なトレースを標準で収集する場合、ストレージ、転送、処理コストが大きな負担となる。

Grafana Labsが実施した2025年のオブザーバビリティ調査では、回答者の82%がツール選定時の重要要素としてコストを挙げた。これは、オブザーバビリティが限定的なエンジニアリング用途から、より広範な運用基盤へと進化し、体系的なコスト管理が求められていることを示している。

テレメトリーデータ量を抑える適応型最適化
コスト増加に対応するため、Grafana CloudにはAdaptive Telemetryの機能が含まれる。これらの機能は、メトリクス、ログ、トレース、プロファイルの利用状況を分析し、運用上の価値が低いデータを特定する。その結果に基づき、集約、サンプリング、削減といった手法を提案または自動適用し、データ量を抑制する。

Adaptive Metricsの利用企業では、重要な可視性を維持しながら不要な信号を削減することで、テレメトリー関連コストを平均30~50%削減したと報告されている。数千のサービスやデバイスを監視する環境では、こうした最適化は特に有効である。

自社クラウド上でのマネージド運用
既存のクラウドガバナンスや割引契約を活用している大企業向けに、Grafana LabsはBYOCモデルを提供している。BYOCでは、オブザーバビリティ基盤が顧客のAWSやGoogle Cloudアカウント上で稼働し、Grafana Labsが導入、拡張、アップグレード、日常運用を担当する。

このモデルにより、企業はデータ保管場所の管理を維持しつつ、既存のクラウド契約を活用できる。インフラ所有と運用責任を分離できる点も、社内ITやセキュリティ方針に適合しやすい。

データ主権・運用効率・コスト管理の両立
AWS東京リージョン対応のGrafana Cloud、BYOC、そして適応型データ最適化機能を組み合わせることで、日本企業は「データを国内かつ自社クラウドに保持しながら、運用はマネージドサービスに委託し、コストを最適化する」という運用モデルを選択できる。

この構成は、オブザーバビリティデータを活用したAIやAIOpsを推進する企業にとって有効であり、データ量とガバナンス要件の双方が厳しい環境でも、運用の複雑性やインフラコストの急増を抑えながら拡張を可能にする。

www.grafana.com

  さらに詳しく…

LinkedIn
Pinterest

フォロー(IMP 155 000フォロワー)