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StockmarkとAWS、エンタープライズ向け生成AI分野で協業を拡大
本提携は、安全性に配慮した導入支援、業界特化型AIエージェントの開発、拡張性のあるクラウド基盤の活用を通じ、日本企業の生成AI活用を後押しすることを目的とする。
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生成AIの導入を検討する企業の多くは、データガバナンス、既存システムとの統合、概念実証(PoC)から本番運用への移行といった課題に直面している。こうした状況を背景に、Stockmark Inc.はAmazon Web Services(AWS)と戦略的協業を締結し、エンタープライズ向け生成AIの実装支援および業界特化型AIエージェントの開発体制を強化した。
PoC段階を超えるエンタープライズ活用
製造業をはじめとするデータ集約型産業では、セキュリティ要件や社内データの分断、専門人材不足により、生成AIの本格活用が進みにくい状況が続いている。その結果、汎用チャット用途から、業務フローや社内データに最適化された業務特化型AIエージェントへのニーズが高まっている。
Stockmarkは、自社開発のStockmark-LLMおよび製造業向け生成AIエージェントAconnectを通じ、この領域に注力してきた。同社は、350社以上の日本の大手企業におけるAI活用を支援してきた実績を持つ。社内データおよびオープンデータを構造化し、業務単位で最適化されたAIエージェントを迅速に構築する点が特徴となっている。
クラウド基盤と業界特化モデルの組み合わせ
本協業により、AWSは営業面、技術面、マーケティング面での支援を提供し、Stockmarkはアプリケーション層の生成AIシステム開発を進める。Amazon BedrockやAWS TrainiumなどのAWSサービスは、モデル開発、ファインチューニング、大規模展開を支える計算基盤として活用される。
これにより、AconnectやSATといった既存プラットフォームに加え、開発中の製造業特化型LLMの高度化が進められる。クラウドベースの学習および推論環境を利用することで、顧客固有データに基づくファインチューニングを実施しつつ、計算コスト管理と性能向上の両立を図る構成となっている。
企画から運用までの一貫した導入支援
両社は、導入戦略の策定からPoC、本番運用までを含む包括的な支援体制を整備する。これにより、社内に十分なAI専門人材を確保できない企業でも、技術的および組織的リスクを抑えながら導入を進められる体制が構築される。
また、StockmarkはAWS Japan Generative AI Practical Application Promotion Programに参画しており、システム構築に伴う初期コストの一部軽減が見込まれる。AWSの技術サポートは、導入後のスケーラビリティ確保や安定運用にも活用される。
製造業と社内ナレッジ活用を中心としたユースケース
主な適用分野は製造業で、社内文書検索、技術ナレッジの参照支援、業務手順サポート、運用データの構造化分析などが想定されている。構造化された社内データと業界特化型言語モデルを組み合わせることで、企業固有の用語や手順、コンプライアンス要件に沿った応答生成が可能となる。
AWSの計算基盤を活用した顧客データでのファインチューニングは、汎用大規模モデルを繰り返し利用する場合と比較して、精度向上と運用コスト抑制の両立を図る手段として位置付けられている。
市場形成と流通チャネルの整備
本協業には、展示会やセミナーを通じた共同での情報発信も含まれており、日本企業における生成AI活用事例の共有が進められる。また、Stockmark-LLM-13bはAWS Marketplaceを通じて提供されており、既存のAWS調達およびガバナンスの枠組みの中で導入できる体制が整えられている。これにより、コスト管理やセキュリティポリシーとの整合を図りながらの導入が可能となる。
これらの取り組みは、国内開発モデルとグローバルなクラウドAI基盤を組み合わせることで、日本企業における生成AIの活用を実証段階から実運用段階へ移行させるための基盤整備の一環と位置付けられる。
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