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京セラ、新高粘度インクジェットプリントヘッドを発売

1,500以上のノズルを備えた革新的なプリントヘッドは、塗装や3D印刷プロセスのための粘性材料の安定した噴射を可能にします。

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京セラ、新高粘度インクジェットプリントヘッドを発売

京セラ株式会社は、高粘度材料を安定して吐出できる新たな産業用インクジェットプリントヘッドを開発した。本技術により、従来は流体制御の制約を受けていた塗装や付加製造(アディティブ・マニュファクチャリング)などの製造工程で、インクジェット技術の活用が可能となる。オンデマンド材料堆積における課題を解決し、工程の柔軟性向上や廃棄削減を通じて、デジタルサプライチェーンに基づく製造プロセスを支援する。

背景と技術的進展
産業用途におけるインクジェットは、機能性流体を必要な量だけ精密に堆積できる点から、材料利用効率の向上や工程のスリム化に寄与してきた。一方、従来のプリントヘッドは低粘度インクを前提としており、塗料や工具用樹脂など、高粘度材料を必要とする工程では適用が限定されていた。京セラの新プリントヘッドは、独自のピエゾアクチュエータ構造と最適化された流路設計により、こうした制約を克服している。粘度80mPa・s以上の材料を安定して吐出でき、従来世代と比較して最大20倍の大滴量での吐出が可能とされている。この特性により、これまでインクジェット化が困難だった材料を用いる産業用途への展開が可能となる。

設計および性能特性
本プリントヘッドは、1,584個のノズルを搭載し、約111.7mmの有効印字幅において360dpi×360dpiの産業用解像度での高スループットを実現する。独自のピエゾベンドモードアクチュエータは、高粘度流体に必要な十分な吐出力を発生させ、シミュレーションにより最適化された流路形状が、産業環境下でも安定した液滴形成を支える。京セラの評価条件では、粘度80mPa・sの流体を約280pLの液滴量で吐出できることが確認されており、先進製造やコーティング工程で用いられる複雑な材料への対応余地を示している。

製造およびコーティング工程への意義
高粘度材料のインクジェット吐出を可能にすることで、本技術は自動車分野の加飾塗装などへの応用を広げる。従来のスプレー塗装やマスキング工程は、作業負荷が高く、オーバースプレーによる材料ロスが課題となっていた。また、付加製造分野では、ペーストや樹脂を大滴量かつ高粘度で堆積できることにより、治具製作や部品試作における材料選択肢が拡大する。これらの分野では、柔軟な堆積技術とリアルタイム制御を組み合わせたデジタルサプライチェーンの構築が、工程最適化に寄与する。

技術的ユースケースと効果
自動車塗装用途では、装飾用または機能性コーティングを必要な箇所に限定して堆積できるため、マスキングや研磨工程への依存を低減し、材料使用量の削減や色再現性の向上が期待される。3Dプリンティングによる治具や部品製作では、高粘度樹脂やペーストの吐出が可能となることで、試作サイクルの短縮と材料ロスの低減につながる。これらの特性は、材料在庫の最適化や廃棄削減を通じて環境負荷を抑制し、製造データの一元管理を含むデジタル製造エコシステムの高度化に貢献する。

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