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AIビジョンがLNG施設のメタン漏洩検知を強化

FLIRは光学式ガスイメージングとAIプルーム検出を組み合わせ、無人屋外のLNG圧力調整設備でメタン漏洩を監視。

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AIビジョンがLNG施設のメタン漏洩検知を強化

メタン漏洩の検知はLNGインフラにおける重要な安全要件であり、特に屋外の圧力調整施設では従来のガスセンサーが拡散したガスを検知しにくい場合がある。イメージングベースの監視システムは、無人環境における検知範囲を拡大し、状況把握を向上させる手段となる。このような背景のもと、韓国の保寧(Boryeong)LNGターミナルの圧力調整施設において、FLIR GF77a OGIカメラとAIプルーム検出技術を組み合わせた監視システムが導入された。

無人LNG設備におけるメタン漏洩監視
LNG圧力調整施設は、ガスを供給網に送る前に圧力を制御する重要な設備であり、天然ガスインフラの中核を担う。こうした施設は屋外に設置されることが多く、遠隔監視によって運用されるケースもあるため、従来のガス検知システムでは監視が難しい場合がある。

保寧LNGターミナルでは、安全対策の一環として固定式ガスセンサーがすでに設置されていた。しかし、広い屋外エリアの監視においては課題が残っていた。ガス漏洩が発生しても、風や環境条件によってガスが急速に拡散すると、局所的なポイントセンサーでは検知が難しくなる可能性がある。

そのため、無人環境でも漏洩を早期に特定できるよう、より広い範囲を視覚的に監視できる新たな監視手段が求められていた。

本格導入前の光学式ガスイメージング検証
監視システムの導入に先立ち、現地ではFLIR GF77a 光学式ガスイメージング(OGI)カメラの性能検証が実施された。テストではメタンガスを意図的に放出し、カメラの検知能力を確認した。

メタン検知に最適化されたこのカメラにより、オペレーターはモニター上でガスの拡散パターンをリアルタイムで確認できた。ガスの可視化によって漏洩挙動を直接観察できることが確認され、既存のガスセンサーを補完する監視手段として有効であることが実証された。

この検証結果を受け、GF77aは既存のCCTVインフラと連携する形で圧力調整施設に設置された。

OGI映像とAIプルーム検出の統合
導入された監視システムは、リアルタイムの光学式ガスイメージングとAIベースのプルーム検出エンジンを組み合わせている。

カメラは施設の映像を継続的に取得し、AI分析ソフトウェアがOGI映像を解析してガス漏洩に対応するプルームパターンを検出する。漏洩の兆候が確認されると、システムは自動的にアラームを発し、イベントとして記録する。

その後、オペレーターは状況に応じた手順に従って対応を行う。

システムはCCTVと同様のネットワーク構成で設置されており、カメラは屋外の圧力調整エリア全体を監視できる位置に配置されている。これにより、複数のセンサーを追加設置することなく広範囲の監視が可能となった。


AIビジョンがLNG施設のメタン漏洩検知を強化
屋外のLNG圧力調整施設でポールに設置したガス漏れ監視カメラ

画像ベース監視による監視範囲の拡大
光学式ガスイメージングを導入することで、従来のセンサー中心の監視と比較して、より広い範囲の監視が可能になった。ポイント検知に依存する代わりに、カメラによって監視エリア全体の視覚的な漏洩検知が行われる。

さらに、このシステムは既存のCCTVインフラと統合されているため、新たな構造物の設置や大規模な設備変更を必要としない。これにより、設置作業の簡素化と導入コストの削減が実現した。

AIによるプルーム検出は継続的な自動監視を可能にするため、特に無人施設での運用に適している。映像データをリアルタイムで解析することで、潜在的な漏洩を早期に特定し、状況が深刻化する前にオペレーターへ通知する。

従来型ガス検知システムを補完
今回の導入事例は、画像ベースの監視が従来のガス検知技術を補完する役割を果たすことを示している。

施設運営側では、AI検知感度の調整、プルームパターン解析の精度向上、気象条件など環境要因への対応といった改善点も検討している。

今後の計画として、施設条件に合わせたAIモデルの構築、監視範囲の拡大、さらに他のガス設備への自動監視の適用が検討されている。

光学式ガスイメージングとAIベースの映像解析を組み合わせることで、このシステムはLNGインフラにおけるメタン漏洩検知の可視性を高め、屋外設備の安全監視を強化する新たな手段となっている。
 
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