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Mouser、エンジニア向けモータ制御リソースハブを開設

オンライン拠点でBLDC/PMSMおよびEV対応のモータ制御設計情報を集約し、ゲートドライバ、MCU、保護機能までカバーする。

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Mouser、エンジニア向けモータ制御リソースハブを開設

電動化がeバイク、ドローン、ロボティクス、電気自動車(EV)へと広がる中、モータ制御設計はドライブ回路だけでなく、センシングや保護機能を含めた統合設計が求められている。こうした背景のもと、Mouser Electronicsは、最新のモーションシステムに向けたモータ選定、制御アーキテクチャ、部品選択を支援するオンラインのモータ制御リソースセンターを公開した。

モータ制御は「駆動」からシステム効率の中核へ
モータ制御は単なるコミュテーション制御にとどまらず、効率や制御品質がそのままユーザー体験や稼働時間、熱負荷に直結する領域へと移行している。高度なモータ制御では回転速度、トルク、位置を精密に制御することが中心となり、とくにエネルギー効率と航続距離の向上が求められる次世代モビリティやEVプラットフォームで重要性が高い。

eバイクや小型のライト・エレクトリック・ビークル(LEV)では、高電圧BLDC制御を簡素化するため、ロジックと保護機能を統合した電子回路の採用が進む。これにより設計の複雑さを抑えつつ、開発サイクルを短縮しやすくなる。

eバイク、ドローン、ロボットで進む制御の高度化
小型モビリティでは、先進制御は単に駆動要件を満たすためではなく、操作感の改善にも使われる。Mouserは、eバイクでトルクセンサがペダル荷重を検知し、ライダー入力に応じてアシスト量を調整する例を挙げており、これにより滑らかな加速や一貫した応答性が得られるとしている。

ドローンやロボティクスでも、制御系の基本原理は同様で、閉ループ制御の安定性、センサ統合、パワーステージ最適化が重要になる。さらにバッテリマネジメント技術の進展がモータ制御系と結びつき、エネルギー利用の最適化によって航続距離や電池寿命の延長につながる。

EVでは制御電子回路の統合度がさらに上がる
より大きなトラクション用途では、モータ制御がEVの効率と安全性を左右する中核技術となる。Mouserは、これらの設計を「損失低減」と「システム性能最大化」という観点で捉えており、リアルタイム制御に加え、高信頼な通信と保護機能を組み込んだアーキテクチャが求められるとしている。

この流れは、参照設計や検証済み部品、標準化されたインターフェースを活用して試作から量産移行のリスクを下げるという、デジタルサプライチェーン上の実装にも適合しやすい。

リソースハブの内容:設計情報と部品選定を一体化
Mouserのモータ制御ハブは、技術記事、ブログ、eBook、および関連製品情報を集約したものとなっている。特にeBookでは、用途に適したモータの選び方、ドライバやマイコンの選択肢、設計時に直面しやすい基本課題など、実務に直結する観点で整理されている。

狙いは、モータ制御の知識を体系的に整理しつつ、実装に必要な部品や開発ボードへスムーズにアクセスできる入口を提供することにある。

掲載例:リファレンスボード、MCU、モータドライバ
教育コンテンツに加え、MouserはBLDC/PMSM開発やEV関連用途で使われる複数のデバイス/プラットフォームも紹介している。

NXP Semiconductors S32M276SFFRD リファレンス設計ボードは、S32M276 SiP(System-in-Package)を採用し、Arm® Cortex®-M7 S32K3 MCUとアナログ部品を統合している。直径2インチ未満(約5cm)の小型ボードにより、BOM点数やPCBサイズ削減を狙う設計が可能になるとしている。通信はUARTおよびCAN/CAN FDに対応し、自動車向けの試作開発やBLDC/PMSM制御用途を想定している。

Renesas Electronics RA8T2 モータ制御MCUは、22nmプロセスで製造される高性能デュアルコアデバイスで、Arm Cortex-M85とCortex-M33を搭載する。構成としては、主コアがリアルタイムのモータ制御を担当し、副コアがシステム制御とEthernet/EtherCATなどの高速通信を処理することで、1チップで高度な制御を実現する狙いがある。

パワーステージ統合の例として、MouserはMonolithic Power Systems(MPS) MPQ6541-AEC1/MPQ6541A-AEC1を挙げている。これはPMSMおよびBLDC向けの3相BLDCモータドライバで、AEC-Q100 Grade 1に準拠する。動作電圧は4.75V~40V、連続出力電流は8A。内部にNチャネルMOSFET×6、ゲートドライブ用電源、電流検出アンプ、プリドライバを統合し、サーマルシャットダウンや**過電流保護(OCP)**などの保護機能を備える。

もう一つの例として、Infineon Technologies PSOC™ Control C3マイコンも紹介されている。Arm Cortex-M33を搭載し、モータ制御および産業用途向けに最適化されている。同時サンプリング対応ADC、リアルタイムのFOC(フィールド指向制御)を実現するCORDICアクセラレータ、モータ制御通信向けのMOTIFブロックを備え、高度な制御を支える構成としている。

この種のハブが設計現場にもたらす意味
エンジニアリングチームにとって、情報と部品選定を一体化したハブの価値は、主に試行錯誤の短縮にある。実務的な設計ガイダンスと、オートモーティブ/産業レベルで求められる制御・通信・保護要件に対応した部品や参照設計を合わせて提示することで、モータ選定から制御計算、通信、保護されたパワーステージ実装までを一連の流れとして整理しやすくなる。

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