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SYPAQ社が新しい型CorvoXドローンにBosonを統合―Thermal by FLIRプログラムのパートナー企業として
Boson長波長赤外線カメラモジュールによって画像処理能力を強化し、防衛用の小型無人航空機(SUAS)においてクラス最高の状況認識力を実現しました。
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カリフォルニア州ゴレタ – Teledyne Technologies Incorporated(ニューヨーク証券取引所:TDY)の一部門であり、サーマルイメージング技術を革新に導くTeledyne FLIR OEMから、オーストラリアの独立系大手ドローンメーカーの一つであるSYPAQ Systems社とのThermal by FLIRを通じた新たな協業をご紹介します。NDAA準拠でITAR規制対象外のBoson®熱赤外線(IR)カメラを搭載した同社の新しいCorvoX小型無人航空システム(SUAS)が、オーストラリア国防軍による歩兵部隊作戦向けのDEF129 SUASプログラムに基づいて2025年12月にオーストラリア陸軍へ納入される契約となっています。
SYPAQ Systems社のCEOで社長のAmanda Holt氏は次のように説明しています。「世界最高水準の防衛能力をグローバルに提供していくという当社の取り組みを推進するにあたって、Thermal by FLIRプログラムの活用は当然な選択だと言えます。CorvoXプラットフォームへのBosonの統合は、オーストラリア・英国・米国(AUKUS)間の戦略的連携がいかに先進技術の開発を加速させ、その新技術を兵士へ迅速に手渡せるようになるかを具体的に示すものとなりました」。
歩兵部隊の作戦行動のために特別に開発されたCorvoXは、640×512解像度のBosonセンサを採用するCorvo Guarda 70-DN EO/IRペイロードを搭載して、暗闇や煙、濃い霧をも見通せる世界トップクラスのサーマルイメージング性能を実現しています。さらに、このBosonを電気光学(EO)センサと組み合わせて、高度なアルゴリズムを備えた2軸構成の安定化機械システム内に配置し、現代の偵察・監視任務に不可欠な地理的空間認識とともに物体検知や移動目標の追跡を可能にします。
Teledyne FLIR OEM の製品マネージメント担当副社長Jared Faraudoは次のように述べています。「CorvoXは、サイズ・重量・電力(SWaP)を最適化したBosonサーマルセンサの汎用性と性能が過酷な無人アプリケーションにおいても発揮できることを実証しています。SYPAQ社の安全保障を踏まえた生産体制による確実に量産可能なサプライチェーン構築への取り組みは、市場をリードする革新的な熱赤外線技術を世界中で利用できるようにするという当社の使命とも方向を同じくするものです」。
次世代のCorvoX SUAS
CorvoXは革新的な推力ベクタリング式垂直離着陸(VTOL)機構を採用しており、最大55 km/hという強風が吹くような極限の気象条件のもとでも、クラス最高の航続性能を発揮します。最高速度100 km/hを実現した同システムは、重量2 kg以下と軽量なうえ翼幅が82 cmと携帯も可能であり、最大50分間の飛行が行えます。手投げによる離陸も地上からの垂直離陸もできるにように設計されたCorvoXなら、オペレータの身体的負荷や認知負荷も軽減されます。また、このシステムには、任務中の機密情報漏洩を防ぐために新開発したメモリ機構を搭載するほか、オンボードの人工知能(AI)機能も常に更新されるようになっています。
展示会Indo Pacific 2025でCorvoXを直接ご覧ください
SYPAQ社は、2025年11月4~6日にオーストラリア・シドニーで開催の展示会Indo Pacific 2025にCorvoXとCorvo Guarda 70-DNペイロードを出展します。小間番号3F92のビクトリア州政府パビリオンでは、ぜひSYPAQの展示ブースへお越しいただき、この次世代技術を直接ご覧ください。
Teledyne FLIR OEMについて、詳しくはwww.oem.flir.comをご覧ください。

