シーメンス、マクニカとOT領域の製品、サービス連携で協働強化
ハードウェアとソフトウェアを連動したサイバーフィジカルシステム全体のデータ連携で、国内製造業における変革のスピードアップを目指す。
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シーメンス株式会社はマクニカとパートナーシップ契約を締結し、OT分野においてソフトウェアに加え、ハードウェアと連携した製品・サービスを提供していきます。これにより、両社はハードウェアとソフトウェアを連携させたサイバーフィジカルシステム全体のデータ連携を実現し、日本の製造業の変革を加速させることを目指します。
設計と製造の連動を実現するPLM / MES領域とCPSを実現するソフトウェアとハードウェアトータルで支援
ものづくりのプロセス全体を連携させ、サイバーとフィジカルを連動したデジタルツインを実現するためには、設計と製造を繋ぐPLM / MES領域の支援、さらにはソフトウェアだけではなく、それを実行するハードウェアの支援も欠かせません。シーメンスの提供する各国規格準拠や機能安全、セキュリティ対応をしているハードウェア製品は、世界トップクラスのシェアとものづくりをグローバルでサポートしており、マクニカのもつ半導体やセンシングデバイス、GPUなど最新のコンポーネントの提供・技術支援の強みを掛け合わせることで、AIやエッジコンピューティングの実現によるCPSの加速、機械・装置メーカーや工場設備に向けたデジタルツインやデジタルスレッドを活用したシミュレーション、バーチャルコミッショニング、Industrial Copilotなど様々な要素を組み合わせて実装することが可能となります。
シーメンスソリューションパートナー1として製造業のDXを支援
世界のトップランナーであるシーメンスとマクニカで、ハードとソフト連動によるビジネス変革を実現
シーメンスは、ソフトウェア、ハードウェア、サービスを通じてディスクリート産業からプロセス産業に至るまで、製造業のDX支援しており、最先端の自動化およびデジタル化技術を活用することで、企業は設計、エンジニアリング、製造プロセスを最適化し、今日のアイデアを持続可能な製品に変えることを可能にします。
「シーメンスは、ハードウェア、ソフトウェア、テクノロジーソリューションの分野で日本市場をけん引してきたマクニカとの連携により、日本の製造業のお客様の成功に貢献できると確信しています。DXの実現には、設計と製造、ITとOT、ソフトとハードを統合的に支えるパートナーの存在が不可欠です。マクニカは、半世紀にわたり多様な製造業と築いてきた深い関係性と業務プロセスへの理解により、ビジネスモデルの変革を力強く後押しする存在です。また、マクニカは日本において、シーメンスのハードとソフトの両領域を担う唯一のソリューションパートナーであり、当社にとって極めて重要な戦略的パートナーです。今後も両社の連携を通じて、日本の製造業におけるイノベーションと持続可能な成長を支援してまいります。」と、シーメンス株式会社デジタル専務執行役員デジタルインダストリーズ ヘッド トビアス・ラングは述べています。
「マクニカは、長年にわたり半導体を中心とした世界の先端技術の導入支援を通じて、設計・製造現場における課題やニーズを深く理解してきました。今回、シーメンスのOTソリューションがポートフォリオに加わることで、製造プロセスの可視化・最適化・自動化を実現するための、製造業DXに不可欠な要素を組み合わせたデータドリブンなものづくりの基盤をさらに強化し、お客様のデジタルツインの実現と競争力向上を支援して参ります。」と、株式会社マクニカ アルティマ カンパニー バイスプレジデント 沢田和幸氏は述べています。
「失われた30年」国内の製造業の変革課題
高度な技術力と品質、労働者の優れた技能とモチベーションによって高い競争力を誇っていた国内製造業は、不可逆なテクノロジーとイノベーションの加速、顧客期待の変化、グローバル化、迅速な意思決定、さらに不確実性が増す現在において、部分最適で磨きこまれた業務プロセスや属人化したナレッジなどが重しとなり、変化に対して迅速に追従することが難しく、多くの製造業が競争力の維持に苦しんでいます。近年では地政学、地経学的な緊張が高まり、世界的に製造業の国内回帰が進むなか、日本における人手不足、特に熟練技術者の不足が深刻化しています。これらの課題に向き合いイノベーションを実現するためには、海外のベストプラクティスの応用、デジタル技術やオートメーションを活用した業務プロセスの標準化、また同時に、顧客満足、競争力に直結する部分に集中することも必要になります。
データ連携なくして、真のDXなし
抜本的な改革を行うには、製品開発段階だけでなく、製造段階においてもデジタルやシミュレーションを活用した製品ライフサイクルでのデータ連携と、それを活かすリアルな世界とバーチャルな世界がシームレスに連動するデジタルツインの実現が必要となります。IT領域のエクスポネンシャルな進化をOT領域にシームレスに実装することでDXが促進されますが、両領域には大きな隔たりがあり、またソリューションベンダーもそれぞれの領域に分かれているなど、データ連携の障害になっているケースが多く見受けられます。
そこで、IT領域とOT領域においてトップランナーで、ハードウェアとソフトウェアの連動で価値を生み出すことに長けている世界最先端のシーメンスと、マクニカですでに提携しているソフトウェアに加えハードウェアも含めた包括的な提携を進めることで、CPS全体をデータ連携することが可能になります。またマクニカでは、IT領域とOT領域を連携させ、バーチャルとリアルが連動したデジタルツインを実現することで、製造業におけるエンジニアリングチェーン及びサプライチェーン全体にわたる統合的な可視化を可能にします。これにより、現場から経営層までが一貫してデータに基づいた迅速な意思決定を行える環境を提供し、生産性の向上や品質改善に貢献します。
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