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複合材における樹脂選定の重要性

複合材ソリューションの材料選定は、一点の決断に集中してしまうことが多いものです。

複合材における樹脂選定の重要性
つまり、ガラス繊維と炭素繊維のどちらを選ぶかという問題です。確かに複合材の特質として知られる強度と剛性はファイバーから得られるとは言え、樹脂の選択については見逃されてしまうことがよくあります。そこで今回は、樹脂による複合材の特性への影響について、また樹脂の選定を繊維の選定同様に重視して検討する必要性について、複合材製造の世界的企業、Exel Compositesの化学者でレジン専門家のサミ・ピリネン (Sami Pirinen) が掘り下げます。

複合材の主な材料は、繊維と樹脂です。この繊維はガラスまたは炭素から作るのが主流で、繊維によって強度と剛性を得られますが、その特性を役立てるための形状や構造への成形は、繊維を単独で使用しても不可能です。そこで、繊維に樹脂を含浸した後、その樹脂を硬化処理する手法により、強度、剛性および軽量性を幅広い用途に応用するだけでなく、複合材の利点をさらに加えることも可能になります。

アプリケーション要件を満たすための樹脂の選択肢は数多く存在しますが、樹脂添加剤の配合も考慮するべき点の一つです。したがって、それぞれの樹脂の違いとその選択によって複合材の特性にどのような影響を生じるかについて認識することが非常に重要です。

既存特性の補完
すべての複合材に共通する有益な特性は、強度、剛性、軽量性、そして過酷な環境における耐久性です。これらの特性は、それぞれを補完する樹脂を使用して優位性をさらに高めることが可能です。そこで、最も適した樹脂を選択するには、どの特性を優位特性とするかの判断がまず必要になります。

重量を抑える複合材ソリューションが欲しければ、その費用効率に優れた方法は不飽和ポリエステル樹脂の使用です。不飽和ポリエステルは、比較的優れた機械的性質、電気的性質および化学的性質を備えています。したがって、運輸、構造物、建設形状など、広範囲の日常用途に適合させることが可能です。

しかし、さらに高い剛性または強度が必要な用途には、エポキシ樹脂の方が望ましいのです。エポキシ樹脂と繊維との結合の仕方は強力です。そのため、より大きなせん断荷重を繊維間で伝達することが可能で、複合材の強度値が向上するのです。エポキシ樹脂は、より多量の繊維と結合することが可能なため、優れた強度で高い剛性の複合材の製造を実現し、必要に応じてさらに高温用途に適した変更を加えることも可能です。

一方、高い剛性ばかりでなく過酷な環境にも耐えられる複合材が必要であれば、ビニルエステル樹脂の方がよい選択肢かもしれません。ビニルエステルの分子構造は、耐薬品性を促進するため、海洋環境や工業用途など、酸やアルカリの存在する環境向けの複合材にはビニルエステルを使用すればそのパフォーマンスが向上することになります。

また、ネジを使用して組み立ての必要な複合形材を製造する場合は、複合材の亀裂や破損を防止するため堅牢度が必要です。これは、構造設計を通して達成できますが、適切な樹脂を選定すれば、構造を簡素化して費用を低減する余地が生まれるため、その複合材はさらに広範囲の用途に適するものになります。ポリウレタンは、不飽和ポリエステルと比較して極めて堅牢なため、こういった用途には理想的です。

複合材の最も貴重な機能を補完する樹脂を選ぶことにより、その複合材のパフォーマンスも寿命も向上することになります。しかし、適切な樹脂の選択に時間を割くことの利点は、既存の特性を高めることだけではありません。

新たな特性を加える
樹脂によって、さらにまったく新たな特性を複合材ソリューションに付加することもできるのです。樹脂添加剤を樹脂に混練することにより、表面仕上げの向上や色彩の追加から、紫外線耐性や抗菌性、抗ウイルス性まで、広範囲の利点を達成することが可能です。

例えば、太陽光に晒される樹脂は自然に腐食していくため、紫外線吸収剤を添加して紫外放射に対抗することにより、通常は資材の脆化や風化を生じる日射環境下でも、複合材はさらに優れたパフォーマンスを達成することが可能となります。

同様に、抗菌添加剤を樹脂に混練すれば、細菌やカビ汚染を防止することもできます。これは、機械類、公共輸送機関、医療機器など、人間が取り扱うあらゆる品の複合材ソリューションに有益です。

添加剤の影響
場合によっては、樹脂添加剤の混練で複合材の特性が変わってしまう可能性があるため、この点は注意が必要です。例えば、難燃添加剤が有効に作用するためには、複合材に使用する繊維の数量を削減せざるを得ないほど大量に混練する必要があるため、その強度や剛性は低下することになります。

このような理由で、樹脂の選択については専門家に相談することが必要不可欠です。Exel Compositesでは、60年以上に及ぶエンジニアリングの専門力を活用して、お客様のニーズにふさわしい複合材ソリューションを見つけるお手伝いが可能です。

樹脂の選択は、複合材ソリューションの実現に最も重要な一部分であり、見落としてはならないものです。複合材の最も重要な機能を明確化し、樹脂の設計を通じてその機能を果たす複合材の能力を高めることにより、繊維と樹脂とが調和して有効に働く複合材ソリューションが実現するのです。

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