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機械モニタリングに大きく貢献

カップリングにトルク測定機能を統合しました

機械モニタリングに大きく貢献
トルク測定機能付きカップリングROBA®-DSMは、実績あるバックラッシ・フリーのカップリングROBA®-DSをベースとしています。そのうえにトルク測定機能が備わったことで、一連の機械に対するテストベンチの構築から状態モニタリングまで、多彩な数々のアプリケーションに活用できます。このカップリング・システムなら、機械やシステムの状態を簡単にモニタリングできるようになります。カップリングから収集したデータを使えば、機械性能を最大限にまで、上手に引き出せるでしょう。

回転部品の測定では、その回転部品へエネルギーを供給する一方で、回転部品からはデータを送信しなければなりません。こうした目的には、多くの異なるタイプのシステムを利用可能ですが、従来は、おもに誘導によってエネルギーとデータの伝達を行っていました。ただし、この原理には、新しいROBA®-DSMのデ
ータ送信に比べて、いくらか欠点があります。

その誘導型システムの大きな欠点の一つとして、短い距離しかデータを伝達できない点が挙げられます。それゆえ、誘導型システムでは、おもに“外周を囲むよう”なステータを使って機能を実現しています。また、
こうしたシステムは軸受によって支持される場合もあります。ところが、外周を囲むような構造では、その取付けや交換がはるかに複雑です。そのうえ、伝達距離が非常に短いため、極めて精密に取付けなければなりません。ほかにも、振動や軸に振回りがある場合に、そのトレランスが小さいという欠点もあります。また、軸受で支持されたシステムなら、トルクが低下しないようにすることが必須です。この場合には、加えて、軸受の摩擦トルクが測定結果に含まれないよう、取付け位置をよく見定めることも重要になります。さらに、システムがたとえ軸受支持しないものであっても、そのロータとステータの芯出しには取付け治具を要します。

これに対して、ROBA®-DSMは外周を囲う構造を必要としません。それゆえ、取付けスペースが小さくて済
みます。またステータは、外周のどの位置にも簡単に取り付けることができます。このステータを調整する場合には、すべての方向に大きなトレランスが許容されます。有効距離は、外周を囲う構造のシステムよりも格段に大きく、5mmにもおよびます。

そのほか、誘導型システムに目立つ欠点として、アナログタイプでは送信バンド幅が通常は低いこと、またデジタルタイプではデータ送信速度が低いことがあります。たいていの場合、こうしたシステムでは最大1kHzに規定されています。また、キャリアを介してエネルギーや測定データの伝達をするため、こうしたシステムでは複雑な信号の分離処理が必要になります。

そこで、新しいトルク測定機能付きROBA®-DSMでは、ロータへのエネルギー伝達と受信器へのデータ送
信に、完全に分離した2つの経路を使うようにしました。最大3.5kHzと高いバンド幅から、高速な動的プロセスでさえ、高い信頼性で記録できます。また、ロータ側でデータを前処理することで、最適な増幅とオフセット補正も可能になりました。ロータ上にはプログラム可能なアンプがあり、無線インターフェイスを通じてプログラムできます。この方法であれば、取付け後であっても、ユーザーの皆様はロータのオフセット補正ができます。加えて、ソフトウェアを利用すれば、アドレスの符号化や無線チャンネルの調整もできます。

そのほかの利点に、2.4GHz ISMバンドでの符号化無線システムの採用があります。この周波数帯域は、EU内では一般に認められたものであるため、認可を受ける必要はありません。もちろんほかの市場地域でもこのシステムを運用できます。ただし、目的によっては特別な認可を要します。また、このシステムでは最大80チャンネルを利用します。つまり、同じ環境下で、複数台のカップリングを運用しても差し支えありません。データ送信は、アドレスに応じて符号化されています。したがって、適当な受信器だけが、その信号を検出・評価できるようになっています。

無線接続の機能は、受信器上のシンプルなディスプレイによってチェックすることができます。データ送信は双方向であり、互いのパッケージは応答を返します。このため、無線接続の品質がモニターできます。そして受信器は、無線接続のあらゆる障害や、送信機からのデータ欠損を通知します。また、高いサンプリング速度と高速無線通信から、ROBA®-DSMでは、ジッタ(最大±68µs)や遅延(概ね2ms)について、一般
にデジタルシステムよりも十分に高い良好な値が実現されています。

標準的な産業システムと同様、ROBA®-DSMでも、トルクの方向に応じて±10Vの信号を出力します。この
信号はPLCへの入力信号としても活用できます。しかしながら、より多くの制御システムがPCベースとなっていることから、デジタルデータを直接収集することも大切です。そこで、新システムROBA®-DSMに
はUSBインターフェイスを設けました。これを介して、あらゆるPCやノートPCにデジタル測定データを読み込むことができます。したがって、測定データを記録するのに、余計なハードウェアを必要としません。それゆえ、オペレータの皆様は、全体的な現状の運転データに素早く目を配ることができます。加えて、データ評価は、オフラインならDIADEMやEXCEL等の適当な表計算ソフトを使って行えます。さらには、オンラインでの評価も可能です。これには、たとえばLABVIEWなどを使い、データを直接読み込んでリアルタイムに処理します。

図1 トルク測定機能付きカップリングROBA®-DSMは、バックラッシ・フリーかつロバストなカップリング
ROBA®-DSをベースとしています。

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