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ケナメタルは加工が困難で複雑な部品に驚くべき耐磨耗性を発揮するUltraFlexを発売

UltraFlex™は表面を耐磨耗加工したケナメタルの新製品シリーズで、発電、石油・ガス、その他多くの産業において複雑な形状の部品に対し業界をリードする耐磨耗性能をもたらすものです。超硬タングステンベースの材種に対してケナメタルが持つ専門技術とケナメタルStellite™、UltraFlexから導入した超合金ベースの技術の融合により充填空隔のない冶金結合被覆加工を実現し、極めて厳しい環境での難しい部品加工でも寿命が長く、交換時期も推測しやすい工具となっています。

ケナメタルは加工が困難で複雑な部品に驚くべき耐磨耗性を発揮するUltraFlexを発売
ケナメタルのUltraFlexシリーズには、炭素鋼や合金鋼、ステンレス鋼、コバルト合金やニッケル合金を含む母材を摩擦、侵食、腐食、およびかじりによる磨耗から保護するソリューションを幅広く取り揃えています。当社独自のUltraFlex技術は厚みをカスタマイズすることで複雑な形状にも処理が可能となり、コンポーネントの寿命が劇的に延び、磨耗による工具交換や保守のタイミングが予測しやすく、生産性が向上して運用コストが削減できます。 

溶接が不可能な形状も保護可能
複雑な形状、内径部、その他、奥まで目視できないような構造の部品を加工する場合、従来の溶射や溶接オーバーレイでは被覆の均一性に問題が生じることがありました。それに対し、UltraFlexは入り組んだ形状や小さい内径などにも簡単に対応し、他の硬化処理技術では届かなかった離れた位置にも到達します。

UltraFlex表面処理は約0.254~2.03 mm(0.010~0.080インチ)の厚みで施すことができます。アプリケーションによってはこのスムーズなUltraFlex表面処理を「施行したまま」で済ませることもできますし、後から目的の仕上げレベルまで加工することもできます。

冶金結合の比類ない利点
機械的接合による表面処理は、多孔や亀裂などによる過酷な環境への耐久性に欠けることもあります。当社独自のUltraFlexプロセスは耐磨耗層を母材に直接冶金結合で接着し、希釈現象がほとんどない均一な厚みの表面処理を行います。

腐食、摩擦、浸食に対するソリューション
ケナメタルが持つ冶金学や材料サイエンスの専門技術により、あらゆる種類の腐食および摩擦による磨耗に対する卓越した保護層を考案し、開発し、商品化することができました。耐腐食性をもたらすコバルトベース合金や摩擦や侵食による磨耗を抑制する超硬複合材など、さまざまなUltraFlex製品のアイデアは、この深く広い材料サイエンスから生み出されたものです。

過酷な用途のバルブなどの部品には、UltraFlexのStellite™合金ベース材種で亀裂や剥離のない母材保護層を確保します。

流動接触分解ユニット内ボトムポンプなどの構成部品では、過酷な摩擦と侵食により数カ月のうちに部品が破損してしまうことがあります。ケナメタルの超硬タングステンベースのソリューションをこのような部品の濡れ面に施すと、寿命が最大で4倍も伸びることが実証されています。

ポンプインペラー
米国湾岸部のある精油所で最近、オイルポンプの内部磨耗が急速に進み、ケース全体を交換しなければならなくなる事態がしばしば発生しました。通常の産業用ポンプの実績と比較すると、稼働時間が約1カ月短く、保守関連コストが嵩んでいました。この精油所のアプリケーションには、触媒微粒子による大きな負荷に耐えるポンプが必要です。

同精油所はポンプに使用するためいくつか耐磨耗性のある製品を調査しましたが、いずれも技術的な特性から限界があることがわかりました。溶射や溶接オーバーレイは奥まで目視できる単純な形状には利用できましたが、微細な内部形状面には適しませんでした。また、溶射には機械的結合の不良が生じる問題があり、溶接オーバーレイには柔らかい母材が硬い粒子で侵食されやすい問題がありました。硬質拡散被覆(ほう化処理)は非常に層が薄く、大きな砥粒により穴あきが発生することがあります。

同精油所はケナメタルとの共同作業にて、浸透性ロウ付け超硬タングステン被覆とUltraFlexを採用し、他の手段では施工できない密閉インペラー内部のコーティングを行いしました。この冶金結合技術はコーティング全体に超硬タングステンの粒子を厚く均一に分散させ、複雑な形状面にも優れた耐浸食性と靭性を実現し、同精油所はその真価に驚きを隠せませんでした。

運用を再開して13カ月経過しましたが、処理したオイルポンプには特に内部侵食の徴候が生じていません。この技術は流動接触分解ユニット(FCCU)の分留装置底部と脱ブタン塔再沸器の整備にも利用されていますが、これまで振動の増大や油圧性能低下などの徴候は見られていません。

過酷な用途のバルブ
最近のバルブは、希薄ガス、非常に腐食性の高い化学物質、超高熱蒸気、研磨スラリー、有毒ガス、放射性物質など、あらゆる種類の流体を扱います。氷点下から溶融金属までの温度や、高真空から数千平方センチメートルポンドの圧力に晒されることもあります。

このような過酷な用途で使用される高耐久メタルシート型ボールバルブは特殊な合金でできており、腐食と磨耗の複合的影響から表面を保護するコーティングが必要です。

ボールやシートの保護には、溶射やステライト溶接オーバーレイが広く使用されています。しかし、部品の寿命を延ばすために性能向上が求められており、新しい材料ソリューションが必要とされています。そこでケナメタルは新しい表面処理技術を開発しました。この技術は高性能な金属成分をボールとシートに冶金技術で溶融付着させて極めて高い耐磨耗性と耐腐食性を実現するもので、しばしば非常に高い高温で、しかも強浸食性粒子を含むこともある状況で化学物質を移送する環境でも有効です。このUltraFlexにより、ケナメタルは特定の条件に耐久性を発揮する最適なコーティング材を選別し、標準的なコーティングを凌駕するハイテク素材をお客様に提供することができます。最近では大手バルブメーカーのVelan社がUltraFlex技術を採用し、過酷な用途のメタルシート型ボールバルブに適用することにより、石油化学業界のユーザーが悩まされている問題を解決しています。

要求レベルの最も高い環境での実績
最も革新的なソリューションの提供元として、ケナメタルは極めて要求の厳しい石油ガス、化学、および発電環境において生産性、信頼性および長寿命を提供しています。非常に多様な応用耐磨耗ソリューション以外にも、当社は磨耗調査、ソリューションの設計開発、母材の設計開発、さらには寸法精度を高めるコーティング後の研磨などでも専門技術をお客様に提供します。

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