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次世代6G向けDバンド対応アンテナモジュール技術

株式会社村田製作所はimecとの共同研究により高周波Dバンド対応かつ2次元ビーム制御を実現する低温同時焼成セラミックス基板アンテナモジュールを開発した。

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次世代6G向けDバンド対応アンテナモジュール技術

産業インフラの高度化や自動化システムの進展に伴い、膨大なセンシングデータを遅延なく処理する通信基盤の構築が急務となっている。特に工場内自律搬送や製造ラインのリアルタイム制御を支える次世代無線通信規格では、従来の周波数資源の逼迫を打破する広帯域伝送技術が求められている。

周波数資源の枯渇とサブテラヘルツ帯における実装課題
第4世代および第5世代移動通信システムでは、数GHz帯からミリ波帯である28GHz帯が広く運用されている。しかし、これらの帯域は衛星通信や放送など多様な無線システムによって既に過密状態にあり、連続した広い帯域幅を新たに確保することが困難となっている。そこで次世代の6G通信やデジタルツイン環境の構築に向け、100GHzを超える未利用のサブテラヘルツ帯を開拓し、ギガヘルツ規模の連続帯域を確保するアプローチが注目されている。

100GHzを超える超高周波帯、特に110GHzから170GHzを指すDバンドの活用には、高周波物理特有の課題が存在する。周波数が極めて高くなると電波の波長はミリメートル未満となり、自由空間伝搬損失が著しく増大する。さらに回路基板内では誘電体損失や導体損失が急増し、わずかな配線長の誤差や微小な実装のばらつきが深刻な位相ズレや信号減衰を引き起こす。高密度に集積しながら伝送損失を抑制し、精密な電波制御と量産実装性を両立させる基板設計技術の確立が、実用化の最大の障壁となっていた。

低損失セラミックス基板と集積化によるビーム制御の確立
この技術的障壁を打破するため、村田製作所は先端半導体研究機関であるimecと連携し、独自の低温同時焼成セラミックス(LTCC)技術を応用したアンテナモジュールを開発した。

本モジュールは、材料組成から最適化した自社製セラミックス材料を採用している。超高周波帯での信号劣化を防ぐため、基板材料の低誘電率化および低誘電正接化を図り、Dバンド領域における誘電損失を抑制した。微細加工が可能な高周波設計技術と多層パッケージング技術を組み合わせ、imecが開発したDバンド対応ビームフォーミング集積回路を基板へ高精度に実装。アンテナ素子および高周波伝送線路を基板内部に高密度で一体集積化している。

通信性能の検証試験において、本モジュールは135GHz帯での安定した無線通信動作を確認した。信号伝送では最大8GHzに達する広大な帯域幅を達成し、送受信の双方において空間的に電波の放射方向を動的に制御する2次元ビームステアリングの動作に成功した。LTCC基板を採用したDバンド対応モジュールとして、双方向の2次元ビーム制御を実証した設計は、高周波通信の損失補償と高密度実装の課題に対する具体的な解答となる。

産業用途における展開と機能統合
超広帯域伝送と高精度なビーム制御の両立は、製造業やロボティクス分野における通信およびセンシングの在り方を大きく変革する。

本技術の主要な適用先としては、6Gインフラのバックホール回線やアクセスポイント、高精細映像伝送が挙げられる。さらに、通信機能と高分解能レーダーを同一ハードウェア上で統合する通信・センシング統合(ISAC)への展開が想定されている。ミリ波を超える周波数の指向性を活かすことで、生産設備内の超高精度な位置測位や、フィジカルAIを適用した自律移動ロボットの障害物検知、周辺環境の3次元マッピングを単一のモジュールで処理することが可能となる。

既存の量産ラインで実績を持つLTCC製造プロセスをベースとしているため、将来的な量産再現性と構造信頼性に優れる。同社は実用化に向けた開発を進め、2030年以降の市場投入を目標としている。

追加情報
本セクションでは、元の製品発表には含まれていない技術仕様および競合ベンチマークの詳細を説明する。

サブテラヘルツ帯における通信モジュールの実装基盤としては、従来の高周波プリント基板材料であるフッ素系樹脂基板や、半導体微細加工プロセスを用いたシリコン基板(TSV技術など)が先行して研究されてきた。高周波有機基板は低コスト化の利点を有する一方、多層化時の熱膨張係数差による反りや、100GHz超における配線寸法精度の限界から生じる特性ばらつきが課題となる。一方、シリコンインターポーザによる実装は微細配線に優れるものの、チップサイズ大型化に伴う製造コストの増大や、アンテナ効率の低下が課題視されてきた。

これに対し、低温同時焼成セラミックスは、熱膨張係数が半導体素子に近く高い熱伝導率と機械的剛性を備えるため、過酷な産業環境下での長期信頼性に優れる。また、内部にキャビティや多層ストリップラインを三次元的に構成できる利点を有する。Dバンドにおける帯域幅8GHzの達成は、現在標準化が進む第5世代ミリ波(一般的に単一キャリアあたり数百MHzから最大800MHz帯域)と比較して10倍規模の伝送容量に対応し、サブテラヘルツ帯の国際標準化動向に合致する物理仕様である。

編集:エフゲニー・チュリロフ(Induportals Media) - AI適応版

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