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ハイテク機械をオプションではなく組み込む

イタリアの機械メーカーであるギアナ社は、この新製品GGTronicを使って工作機械の加工技術をもっと高めようと考えました。「生き残る唯一の方法」と、同社のマネジャーであり技術ディレクタであるジウリオマリア・ギアナ氏は述べています。大きな機械部品を作るためのトータルソリューションとしてのフライス加工装置では、堅牢性が極めて高いことが設計になくてはならない特長です。位置精度が高くその誤差は±0.01mm、繰り返し誤差は±0.005 mmしかありません。こういった性能を得るため、ジウゼッペ・ギアナ社は、レデックス・アンダンテックス社のTwinDRIVEをその機械、すなわち元々のラック&ピニオンドライブソリューションに実装することで1歩リードしました。

ハイテク機械をオプションではなく組み込む
「GGTronicは特に高い性能を持っているため、コストダウンへの圧力と顧客の要望を進化させることに対処できます。これまでは当社の顧客はまずパワー、次にスピードを重視していました。今や、材料はますます頑丈になり、精度への要求はますます高くなってきています」とジウリオマリア・ギアナ氏は述べます。

新しいGGTronic製品シリーズのフライス盤加工センターはシリンダや複雑な部品を機械加工できます。加工できる直径は最大4000mm、長さは最長25,000mmです。加えて、無人の環境での使用も可能なように設計されています。このハイパワー機械加工機は、船のマストの加工や風力タービンマスト、タービンシャフト、石油パイプラインのバルブ、クランクシャフトやロールといった精密機械や、ウインチドラムなど頑丈な機械を加工するのに特に適しています。

この種の部品を機械加工するプロセスは何時間もかかり、完成までに何種類かの加工方法が必要です。巨大な重量と体積の加工にもかかわらず厳しい許容精度が必要です。一方で、機械加工プロセスを出来るだけ速くするため移動速度は20,000mm/分を速く、加速は4m/s2を達成しています。機械の構造は鋳鉄で全体が作られ、十分な強度を持ち、振動防止金具を備え、内部を5000mmの深さまでくり抜くのに適しています。

プロジェクトの初期段階に考慮すべき設計上のキーポイントの中には、例えば機械の人間工学的な特長があります。クランピングしやすさや、機械加工しているさまざまな段階を「見える化」するツール、部品がいったん完成するといろいろな測定へのアクセス、などがあります。機械加工精度と機械構造の堅牢さはもちろん絶対必要です。GGTronicを工作機械に組み込むというジウゼッペ・ギアナ社のアイデアは、競争に一歩リードすることになりました。機械加工後に部品をもう一度研磨するといったこれまでの工程を不要にするため、この機械全体の生産性がぐんと上げなくてはなりませんでした。その目標は、この機械の最終的な精度に対して極めて高い要求となります。このため全体の剛性を高めました。この剛性は、ダイナミックな条件のもとでこの精度に達しなければならなかったのです。

独自技術により堅牢性と高精度を両立

剛性に関して主な技術的な問題はもっとも長いストローク(最大25,000mm)が必要なZ軸でした。リニアな駆動技術から最高の性能を実現するために、ジウゼッペ・ギアナ社は、レデックス・アンダンテックス社が製造しているTwinDRIVEラック&ピニオンシステムを組み込むことを決めました。このターンキーシステムによって、高い性能を可能にする独自の新技術が得られます。

加えて、最終的には、位置精度と繰り返し誤差が± 0.01 mm、 ± 0.005 mmと少ない結果と併せて、全体的な堅牢性も持ち合わせることのできるようになり、設計者の期待に近づくことができました。TwinDRIVEラック&ピニオンドライブ装置は並列に搭載された2台の遊星サーボ減速機を電気的に結合させたものからなります。このプリロード方式は機械の緩みを除き、高精度の実現に貢献しました。

極めて強い堅牢性は全ての方向に実現していますが、これは強化出力ベアリングによって支持された出力ピニオンシャフトを集積することで実現しました。この独特のレダックス・アンダンテックス社のコンセプトは、最高のねじり剛性を実現するが、他の軸方向に対しても頑丈です;すなわち他社と比べて2倍の加速度と許容重量まで使うことができます。

この独自設計は強化出力ベアリングと、出力シャフト(チル鋳造で作られ、鍛錬され磨かれた筐体を持ち、シャフトと同じ直径)に統合されたピニオンとを強く結びつけています。このピッチの直径は、ラックの方から見て、伝達されるトルクと堅牢性との間の割合がベストになるように最適化されています。このベアリングの配置は、二つの円錐コロ軸受、プリロードされしかも余裕のある大きさのサイズからできている。加えた力に可能な限り近づけるようなピニオンをサポートするように設計され、このピニオンを出力ベアリングから切り離す止めナットの厚みしかありません。この特殊な設計は放射状方向のズレをかなり減らします。これは全体のゆがみの原因の60%に当たりますが、他のシステムでは通常は満足のいく出来にはなりません。

さらに、長さ方向の軸については、X軸、Y軸ともプリロードされたローラーガイド上をスライドします。B軸の機械を使うと、部品は1回の設定で5面について機械加工できます。あるいは5軸全てを使ってどんなに複雑な形状についても機械加工できます。機械がB軸も持っているなら、その部品は一度だけ位置を決めたら5面について加工できるという訳です。さらにこの5軸はどんなに複雑な形状でも作るように間に挿入できます。

機械的なギアをモジュラーシステムにする

「これだけがレデックス・アンダンテックス社を使うメリットではありません」とジウリオマリア・ギアナ氏は語ります。「かつて、顧客の特別な要求に応えなければならないたびごとに、完全な機械駆動システムを作り直さなければなりませんでした。パワーやスピードを調整するということは、減速機などの部品をいくつか変える必要があるということです。だからこそ、パワーとスピードを指示する必要があります。レデックス・アンダンテックス社はちょうどいいラック&ピニオンのシステムを揃えています。スピード/負荷の割合などパラメータを調整することは極めて簡単です」(同氏)。

立ち上げに成功

「この高精度で頑丈な機械を当社は米国やデンマーク、オランダなどの従来の市場だけではなく、中国やインドなどの新興国にも出してきました。当社が提供する外国市場には限りがありません。当社の技術を求める国ならどこにでも提供します。当社が提供する主力分野は変わりなく、エネルギーと石油、航空機産業などですが、当社の工作機械を求める分野ならどこでも提供します。例えば、巨大な旋盤や、パーフォレータ、超仕上げ盤などです。これらの機械はPLC向けにもNCマシン向けにも、全て遠隔サービスが付いています。ジウゼッペ・ギアナ社の高品質な技術支援サービスを保証しています」。直近の注文の中では、風力プロペラメーカーであるポーランドのセルサ社や、デンマークのノードマーク・マスキンファブリック社を挙げることができます。80Tよりも多い部品を機械加工できます。

この企業は、GGTronic 3000を一度設置するとすぐにZ軸スケールの校正と調整を行います。するとVDI3441試験が全ての軸について行われます。Z軸の測定から以下のような結果が得られました。0.01mmに近い精度がすぐに得られ、X軸の性能はフライス加工や、ボーリング工程でミクロン単位に近づいています。

ジウゼッペ・ギアナ社はミラノ地区のマグナゴにあり、建物の大きさは1万平方メートルです。先進的な工作機械を同社は大量にプールしてあり、注文ベースで作業し、独自機械の多数の部品を作るために置かれています。ジウゼッペ・ギアナ社は、研磨機やボーリング機械、ミリング機械、ミリング&プラニング機械を作っています。中には平らな表面を実現するため欧州最大の大きさの切削機があります。ジウリオマリア・ギアナ氏は「当社は高度で特別仕様のマルチタスクの旋盤で国際市場にさらに力を入れていきます」と述べます。

レデックス・アンダンテックス社は、フランスのフェリエールに本社を置き、従業員320名の企業です。欧州と北米に生産基地が三つあります。販売の75%はフランスの外です。技術の進歩、品質と比類ない技術支援への約束がレデックス・アンダンテックス社の基本的な価値です。

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