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STマイクロエレクトロニクス、AI内蔵車載マイコンを発表

Neural-ARTアクセラレータ搭載によりリアルタイム推論を実現し、SDV向けECU統合とエッジAI処理を強化

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STマイクロエレクトロニクス、AI内蔵車載マイコンを発表

電動化システム、車体ゾーン制御、先進モータ制御などの自動車分野では、リアルタイム制御とエッジAI処理を同時に実行できる車載マイコンの重要性が高まっています。STマイクロエレクトロニクスは、組み込みAIアクセラレータを集積した車載用マイクロコントローラ「Stellar P3E」を発表しました。本製品は、SDV(ソフトウェア定義型自動車)アーキテクチャに対応し、単一デバイスで高性能リアルタイム制御とエッジAI推論を実現する点が特長です。

エッジAIをリアルタイムで実行する組み込みNPU
Stellar P3Eは、ST独自のNeural-ARTアクセラレータ™を内蔵した初の車載マイコンです。専用NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)とAIワークロード向けに最適化されたデータフロー・アーキテクチャにより、マイクロ秒単位で推論処理を実行します。従来のマイコンのコア・プロセッサと比較して最大30倍の効率を実現し、常時オンの低消費電力AI処理を可能にします。

これにより、バーチャル・センサや予知保全、スマート・センシングなど、従来は上位SoCやクラウド処理が必要だった機能をエッジ側で実装できます。超低遅延の意思決定が可能になることで、電動パワートレイン制御や車両ダイナミクス制御において応答性と安全性を両立します。

X-in-1によるECU統合とシステム簡素化
Stellar P3EはX-in-1アプローチを採用し、複数ECUの機能統合を簡略化します。これにより、配線やモジュール数の削減、重量低減、システム複雑性の抑制が可能になります。特にハイブリッド車やEVの電動化システム、車体ゾーン・アーキテクチャでは、安全性を維持しながら統合度を高めることが求められており、本マイコンはその要件に対応します。

Arm® Cortex®-R52+(500MHz)コアを搭載し、8,000ポイント超のCoreMarkスコアを達成。Split-Lockアーキテクチャにより、機能安全とピーク性能の最適バランスを実現します。さらに、豊富なI/Oおよびアナログ機能により、高度なモータ制御や車両ダイナミクス制御など幅広いアプリケーションに対応します。

拡張性を支えるxMemoryとソフトウェア定義型アーキテクチャ
SDV移行に不可欠な柔軟性を支えるのが、ST独自の相変化メモリ(PCM)ベースのxMemoryです。従来の内蔵Flashの約2倍の密度を備え、車載品質認定を取得しています。ソフトウェア容量をダイナミックに拡張できるため、ハードウェア再設計なしで機能追加やOTA更新に対応可能です。

この拡張性は、車両ライフサイクル中の機能進化やソフトウェア主導の差別化戦略を支える基盤となります。

エッジAI開発を支える統合エコシステム
Stellar P3Eは、ST Edge AI Suiteによって包括的にサポートされます。データセット作成からモデル最適化、デバイス実装までを一貫して支援し、NanoEdge AI StudioやStellar Studioと連携することで、車載エッジAI開発の効率を高めます。

これにより、データサイエンティストと組み込みエンジニアが協調しながら、安全規格に準拠したエッジAIアプリケーションを短期間で実装できます。

車載エッジAI時代への対応
自動車分野では、クラウド依存からエッジ処理への移行が進み、ミリ秒未満の意思決定が求められています。Stellar P3Eは、リアルタイム制御とAIアクセラレーションを単一チップに統合することで、安全性、応答性、エネルギー効率を同時に高める設計となっています。

Stellar P3Eは2026年第4四半期より量産開始予定です。

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