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シキノハイテックと三菱重工、渦電流探傷器を商用化

小型ハードウェアと必要機能に絞った設計により、産業用金属資産における疲労き裂検出を対象とする可搬型検査システム。

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シキノハイテックと三菱重工、渦電流探傷器を商用化

金属部品の疲労に起因するき裂を検出する可搬型装置が、産業向け検査用途として商用生産段階に移行している。シキノハイテック株式会社と三菱重工業株式会社は、保全および資産健全性評価における非破壊検査向けとして設計された渦電流探傷(ECT)装置を共同で投入した。

現場使用を前提とした金属疲労検査
本システムは、鉄道輸送、鋼構造物、建設機械、社会インフラ設備など、金属疲労や経年劣化が安全性や使用寿命に影響する分野を対象としている。これらの分野では、部品を分解せずに実施できる定期検査が予知保全プログラムの中核要件となっている。

渦電流探傷は、導電性材料に電磁場を誘起し、そこに流れる電流の変化を監視する手法である。表面および表面近傍に生じたき裂などの不連続部は電流の流れを変化させ、その結果として生じる信号変動を計測・可視化することができる。

小型装置に統合された信号処理と可視化
本装置は、小型のハードウェアプラットフォームと、信号解析および欠陥可視化用の専用ソフトウェアを組み合わせている。高速信号処理により、欠陥に起因する渦電流応答の微小な変化を捉える設計となっている。ソフトウェアはこれらの変化を保全技術者が評価しやすい形式で表示し、研究室環境に限定されない現場での判定を支援する。

可搬性と操作の簡素化が設計上の重点とされており、設置スペースや電源条件、作業者の専門性に制約がある現場検査での利用を想定している。機能を日常的なき裂検出に必要な範囲に絞ることで、多機能型の従来探傷器と比べてシステムの複雑さを抑えている。


シキノハイテックと三菱重工、渦電流探傷器を商用化

機能限定設計によるコスト低減
従来の渦電流探傷装置は、多様な検査モードやプローブ選択、高度な解析機能を備えることが多く、これがシステムコストの上昇要因となってきた。本装置では、三菱重工の独自技術を活用するとともに、機能を中核的な検査要件に限定することでコスト低減を図っている。この設計方針は、研究用途や高度な専門検査ではなく、定常的な保全業務への適用を前提としたものである。

装置コストの低減は、特に鉄道車両群や広域に分散したインフラ設備のように、多数の部位を定期的にスクリーニングする必要がある資産群において、検査頻度や展開規模に影響を与える要素となる。

重工業分野での初期導入
本システムは2026年3月より三菱重工グループ内での導入が予定されており、重工業分野の保全現場での早期活用が見込まれている。その後、金属疲労検査を定期的に必要とする他産業分野への展開も計画されている。

両社は今後も協力を継続し、生産体制の拡大および製品ラインアップの拡充を進める方針であり、非破壊検査市場における適用範囲の拡大が見込まれている。

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