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06
'26
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クリーン船舶向け高圧燃料ガス供給システム
Nikkisoは、代替燃料を用いる低排出エンジン向けに、安定した高圧燃料供給を可能にすることで、舶用推進技術の高度化を進めている。
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舶用エンジンの設計が低排出運転や代替燃料対応へと移行する中、燃料供給システムには、より高い圧力域での安定した運転が求められている。こうした背景のもと、Nikkiso Co., Ltd.は連結子会社であるClean Energy & Industrial Gases Groupを通じて、次世代舶用エンジンを支える新たな燃料ガス供給システム(FGSS)を導入した。
海運の脱炭素化が求める圧力要件
海運業界では、通常約320 barで運転されてきた従来型ディーゼルシステムから、排出削減と効率向上を目的とした新しい推進方式への移行が進んでいる。規制要件の強化や脱炭素化目標を背景に、燃料種を問わず信頼性を維持しながら、より高圧で燃料を供給できるFGSS構成への需要が高まっている。
現行基準を超える安定した高圧運転
Clean Energy & Industrial Gases Groupが新たに投入したFGSSは、一般的に参照される380~420 barの範囲を超える圧力でも、安定した燃料供給を行うよう設計されている。この特性は、LNG、エタン、アンモニア、水素といった燃料を使用するエンジンを想定したもので、効率的な燃焼と安定したエンジン性能を得るために不可欠な精密な圧力制御を可能にする。噴射圧力の向上は燃焼特性の改善と直接的に結びつき、結果として排出削減と燃料利用効率の向上に寄与する。
設計を支える運用実績
本システムは、舶用および陸上用途における高圧FGSSの長年の運用実績を基盤としている。企業の公表によれば、同社のFGSSソリューションは420 barを超える圧力条件下で数千万時間に及ぶ運転実績を積み重ねてきた。特に海運分野では、380 bar超で運転するFGSSとその中核ポンプが40隻の船舶に供給され、累計50万時間以上の運用記録を有している。この実績は、将来のエンジン要件に対応するため圧力性能を拡張する上での実証的な基盤となっている。
現行および次世代エンジンへの適用
複数の燃料種に対応し、かつ高い運転圧力を実現することで、このFGSSは既存のデュアルフューエル船から、低排出運転を目的として新たに設計される船舶まで、幅広い舶用用途での活用が想定されている。造船所や船舶運航者にとっては、燃料の柔軟性や長期的な規制適合といった実務的課題に対応しつつ、次世代舶用エンジンの設計要件に整合した燃料供給性能を確保する手段となる。
この高圧FGSSの導入は、圧力安定性、多燃料対応、そして実証された運用性能が、よりクリーンな舶用推進を実現するための中核的な設計要件となりつつあることを示している。
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