www.engineering-japan.com

ミスミ、切削角形部品向け表面処理を拡充

meviyプラットフォームにより、産業オートメーションや機器設計向けに、耐食性・耐摩耗性・反射防止機能を備えた仕上げ選択肢を追加。

  www.misumi.co.jp
ミスミ、切削角形部品向け表面処理を拡充

ミスミは、AIを活用した部品調達プラットフォーム「meviy」において、切削加工による角形部品を対象とした表面処理の対応範囲を拡充し、産業オートメーション、電気機器、精密機械分野における耐久性および光学性能の要求に対応する。

機械部品に求められる耐久性と外観品質への対応
産業機器の高機能化・高密度化が進む中、個々の機械部品に求められる性能要件は年々高度化している。金型、位置決めプレート、治具などの部品には、寸法安定性に加え、長期間の使用に耐える耐摩耗性・耐食性が求められる。また、電気機器や光学機器分野では、ステンレス鋼の耐食性に加え、不要な光の反射を抑制する表面仕上げが重要となる。

今回のmeviyのアップデートは、切削角形部品に使用されるプリハードン鋼およびステンレス鋼に対し、こうした要求に対応する表面処理を追加するものである。

プリハードン鋼向け表面処理の拡充
2025年12月15日より、meviyではプリハードン鋼(NAK材)に対して6種類の表面処理が選択可能となる。NAK材は、適度な硬度と被削性を併せ持ち、金型や治具、構造部品に広く用いられている材料である。

新たに対応する処理には、錆の発生や摩耗を抑制する黒皮(黒色酸化皮膜)処理や、複雑形状でも均一な耐食性・耐摩耗性を付与できる無電解ニッケルめっきが含まれる。加えて、酸化鉄皮膜、三価クロメート(白・黒)、硬質クロム(フラッシュ)、低温黒色クロムといった処理にも対応し、表面硬度や耐久性の向上を可能にしている。これにより、設計段階で必要な機能を指定し、二次加工を行うことなく調達できるようになる。

ステンレス鋼向け低反射仕上げ
ステンレス鋼(SUS材)については、新たに低温黒色クロム処理に対応した。この仕上げは、ステンレス鋼の耐食性を維持しつつ、マットな黒色外観により光の反射を抑制できることから、電気機器や光学機器分野で需要が高い。

meviyの注文プロセスにこの処理が組み込まれることで、設計者は後工程を追加することなく、環境耐性と光学性能の両立した部品を調達できる。

デジタル調達に組み込まれる機能仕様
表面処理オプションの拡充は、材料、形状、表面処理といった機能仕様をデジタル調達プロセスに直接組み込む流れを反映している。meviyでは、これらを単一のインターフェース上で指定できるため、設計・調達・二次加工間の調整負荷を低減できる。

この仕組みは、設計変更が頻繁に発生する産業オートメーション分野において、リードタイム短縮や部品性能の再現性向上に寄与する。

産業オートメーション分野への影響
一般的に使用頻度の高い材料に対して表面処理の選択肢が拡充されたことで、設計者は耐摩耗性、耐食性、反射防止といった用途要件により適合した部品仕様を選択できるようになる。これは、装置の稼働率や保全性に直結する要素であり、産業オートメーションシステム全体の信頼性向上に貢献する。

ミスミは今後も、設計・製造現場の声をサービス開発に反映し、グローバルなIAサプライチェーンにおける生産性向上と調達プロセスの効率化を進めていくとしている。

www.misumi.co

  さらに詳しく…

LinkedIn
Pinterest

フォロー(IMP 155 000フォロワー)