ルネサス、低消費電力 Wi-Fi 6 MCU 発表

スマートホーム、産業オートメーション、医療モニタリング、民生 IoT では、省電力かつ信頼性の高い無線接続が重要視されています。これらの要件に応えるため、ルネサスは Wi-Fi 6 対応の新しいマイコン RA6W1 と RA6W2 を発表し、さらに統合型無線モジュールを提供して IoT 設計の簡素化を図ります。

低消費電力・常時接続 IoT を支える無線性能
IoT デバイスは制御や診断、OTA 更新のため常にネットワークに接続されている必要があります。一方で、電源制約は厳しく、バッテリー駆動製品も増えています。RA6W1/RA6W2 は Target Wake Time (TWT) を利用し、クラウド応答性を維持しながらスリープ時間を最大化します。

両 MCU は待機電流 200 nA〜4 µA、DTIM10 モードで 50 µA 以下と、低消費電力での常時接続を実現します。Sleep Connect 機能によりスリープ中でもネットワークを維持でき、バッテリー駆動 IoT デバイスの長寿命化に貢献します。

IoT 向け高効率 MCU アーキテクチャ
MCU は 160 MHz Arm Cortex-M33 と 704 KB SRAM を搭載し、外部マイコンを必要とせず単体で無線アプリケーションを実行できます。他の RA ファミリ MCU との拡張構成も可能です。

通信インターフェースやアナログ機能を多数内蔵し、外付け部品点数と BOM コストを削減できます。開発は FSP（Flexible Software Package） と e² studio によって効率化されます。

デュアルバンド Wi-Fi 6 と BLE
2.4GHz/5GHz の両帯域に対応し、干渉が多い環境でも安定した通信を維持します。複数 AP が存在する環境で有利です。

RA6W2 は Bluetooth Low Energy を統合し、初期設定や近接通信に利用できます。Wi-Fi 6 の OFDMA と TWT により、低遅延かつ高効率の通信が可能になります。

セキュリティと互換性
AES-256、セキュアブート、鍵保護、真性乱数生成器など、ハードウェアベースのセキュリティ機能を提供します。外部メモリ XiP（リアルタイム復号）によって、データ保護を強化します。

RA6W1 は RED 認証 を取得しており、欧州市場向けの設計を簡素化します。両 MCU は Matter 1.4 認証 を取得し、スマートホームにおけるマルチベンダー互換性を確保します。

ルネサスは MCU 15 年、モジュール 10 年の長期供給を保証し、産業・医療用途の長期製品計画に適しています。

開発時間を短縮する統合無線モジュール
RRQ61001（Wi-Fi モジュール）と RRQ61051（Wi-Fi/BLE モジュール）はアンテナを内蔵し、FCC、CE/RED、TELEC、KCC などの認証取得済みで、RF 設計負担を軽減しつつ、製品化を加速します。

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