Microchip社、高度なコネクティビティ、タッチ、モータ制御に対応する高集積シングルチップ無線プラットフォームを発表
コネクティビティ規格と市場ニーズが進化を続ける中、デバイスのライフサイクルの延長、設計のやり直しの削減、差別化機能を実現するには拡張性が不可欠になっています。
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この課題を解決するため、Microchip Technology Incorporated(日本法人: 東京都港区浜松町、代表: 櫟晴彦 以下Microchip社)は、マルチプロトコル製品に対する共通のシングルチップ プラットフォームとして機能し、優れたコネクティビティとスケーラビリティを実現する高集積のPIC32-BZ6 MCUを発表しました。これにより、開発コストを削減するだけでなく、複雑さを軽減し、開発期間を短縮できます。
Microchip社無線ソリューション部門副社長のRishi Vasukiは次のように述べています。「PIC32-BZ6 MCUは、コネクティビティ、集積度、柔軟性という強力な組み合わせをシングルチップで実現できる事を大きな強みとしています。シングルチップでこれほど幅広い機能を実現したデバイスは稀であり、複数のお客様による活発な評価、導入が始まっています。お客様は、PIC32-BZ6 MCUのマルチプロトコル無線機能、高度なアナログ機能、豊富なI/Oを活用し、よりスマートでコネクテッドな製品を効率的に開発しています」
スマートデバイス向けのRF設計はきわめて複雑化しています。新機能を追加したり、進化する業界標準に対応したりするために頻繁な設計のやり直しをするには、無線ソリューションに複数のチップが必要になるのが一般的です。PIC32-BZ6 MCUは複数のチップを高集積のシングルチップ ソリューションに置き換える事ができるため、有線および無線のマルチプロトコル接続の複雑さが解消され、設計のやり直しの負担も軽減されます。さらに、本MCUは、モータ制御開発を簡素化するアナログ周辺モジュール、高度なユーザー インターフェイスに適したタッチ機能やグラフィック機能を備えています。また、複雑なアプリケーション、高負荷ワークロード、OTA(無線)ファームウェア更新に対応するための拡張メモリも内蔵しています。
PIC32-BZ6 MCUプラットフォームを導入すると、スマートホーム、車載コネクティビティ、産業用オートメーション、無線モータ制御といった用途における製品開発が効率化されます。主な特長として、以下が挙げられます。
- 高負荷アプリケーションとOTA更新に対応する大容量メモリとスケーラブルなパッケージ オプション: この高性能MCUは、2 MBフラッシュメモリと512 KB RAMを搭載した132ピンのICおよびモジュールで提供されます。また、ピン数およびパッケージの選択肢の追加が予定されています。
- マルチプロトコル無線ネットワーク: Bluetoothコア仕様6.0に準拠し、ThreadやMatterといった802.15.4ベースのプロトコルのほか、多彩な通信機能を利用して独自のスマートホーム向けメッシュ ネットワーク プロトコルにも対応しています。
- 製品展開と拡張性を高める設計柔軟性: 無線接続とOTA更新にとどまらず、多用途かつ包括的なオンチップ周辺モジュール群により、以下をサポートします。
o 有線接続: 複数のインターフェイスを搭載し、車載および産業通信向けの2つのCAN-FDポート、高速有線接続用の10/100Mbps Ethernet MAC、シームレスなデータ転送とPC接続を実現するUSB 2.0フルスピード トランシーバ等を備えています。
o タッチとグラフィック: 最大18チャンネル対応のCVD(静電容量式分圧器)ベースのタッチ機能を含む、高度なユーザー インターフェイスを実現する周辺モジュールを内蔵しています。
o モータ制御: 12ビットADC、7ビットDAC、アナログ コンパレータ、PWM、QEI等の高度なアナログ周辺モジュールにより、正確なモータ位置および速度制御システムの開発を容易にします。
- アプリケーションとIPを保護するセキュリティ バイ デザイン(設計段階からのセキュリティ対策): ROMに実装された書き換え不可のセキュア ブート、およびAES、SHA、ECC、TRNG暗号化対応の高度なハードウェアベース セキュリティ エンジンを内蔵しています。
- 過酷な環境下での信頼性: 車載および産業環境に求められるAEC-Q100グレード1 (125 °C)仕様に準拠しています。
開発ツール
Microchip社は、実証済みのチップダウン設計のリファレンス デザインと無線設計チェック サービスの提供により、PIC32-BZ6 MCUの開発と製品認証を容易にし、設計リスクの最小化を支援しています。規制準拠をさらに容易にするため、世界の複数の地域向けに事前認証済みモジュールも提供しています。PIC32-BZ6 MCUファミリは、MCUの全I/O、コネクティビティ、周辺モジュール機能のテストが可能なPIC32-BZ6 Curiosityボード(https://www.microchip.com/en-us/development-tool/ev31u42a)によってサポートされています。さらに、開発者はMicrochip社のMPLAB(R) IDE(統合開発環境)とZephyr(R) RTOS(リアルタイム オペレーティング システム)による包括的な開発環境を活用できます。
価格と在庫/供給状況
PIC32-BZ6 MCUプラットフォームは、現在、高度なコネクティビティと多数のI/Oを必要とするマルチプロトコル無線アプリケーションに理想的なPIC32CX2051BZ62132 SoC(システム オン チップ)と、認証取得の簡素化と開発期間の短縮で無線製品への素早い実装を可能にするPIC32WM-BZ6204UE RF認証済みモジュールで構成されています。SoCとモジュールは本日より受注を開始し、単価は10,000個注文時でそれぞれ3.73ドルと5.84ドルです。今後、設計の柔軟性をさらに高め、より幅広いアプリケーション ニーズに対応するため、パッケージおよびモジュール オプションの拡充が計画されています。
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