Microchip、高精度温度計測向け4チャンネル熱電対ICを発表
MicrochipのMCP9604は、4つの熱電対チャンネルで±1.5℃の精度を実現し、設計の簡素化、コスト削減、そして-200℃~+1372℃の幅広い産業用アプリケーションをサポートします。
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4チャンネルの高精度温度計測は、化学処理、食品加工、製造プロセス制御、医療機器、HVAC機器から、冷蔵・低温環境といった厳密に制御された環境まで、幅広い生産ラインアプリケーションにおいて重要な役割を果たします。Microchip Technology Incorporatedは、統合型熱電対コンディショニングIC「MCP9604」の導入により、温度計測と統合における障壁を克服しました。この初のシングルチップ4チャンネルIC熱電対コンディショニングICは±1.5℃の精度を実現し、誤差やシステム設計の複雑化を招く可能性のある、複数チップの個別熱電対コンディショニングソリューションの必要性を排除します。
Microchip社のミクストシグナル リニア部門副社長のKeith Pazulは次のように述べています。「熱電対は2世紀以上にわたり極端な高温の測定に欠かせない部品として使われてきましたが、要件の厳しい今日の製造ライン アプリケーションで求められる集積度と低コストを実現しながら必要な精度/正確さを達成する事ができていませんでした。今回発表したデバイスは精度/集積度/低コストを兼ね備えており、最大15個のディスクリート部品を削減し、関連するシステム設計の課題を解消する事に貢献します」
MCP9604デバイスはアナログアンプ設計の一次線形近似ではなく、より高次のNIST ITS-90式を使って4ヶ所の熱電対で優れた計測精度を実現します。例えばKタイプの熱電対で9次精度を達成しますが、これをADC、冷接点補償温度センサ、アンプ、および信号チェーン/温度計測/算術演算エンジンに必要なその他の部品を全て含む統合型ワンチップで実現します。
外付け部品が不要なためPCB設計が簡略化され、部品コストを削減できます。また、ディスクリート ソリューションでは、ホストシステムへのデータ送信を開始する前に熱電対計測信号チェーンでユニットごとの検証/校正が必要ですが、このような何週間もの時間とコストがかかる複雑な作業の軽減に役立ちます。
柔軟性と汎用性に優れたMCP9604は、最も一般的な8つの熱電対タイプをサポートしており、これには最低-200°Cの動作に対応するKオプションとJオプションが含まれます。また、各種の産業用アプリケーションで-200°C~+1372°Cの広い温度範囲に対応しており、I2C通信をサポートするため、マイクロコントローラやその他のデジタルシステムと容易に統合できます。
これまでの進歩を基盤とした設計
MCP9604のベースとなっているのは、オールインワン デバイスで初めて最大±1.5°Cの精度を実現したMicrochip社の1チャンネル熱電対向けコンディショニングICです。このデバイスを実現させている中核的な能力により、I2C熱電対向けコンディショニング デバイスとして業界最高レベルの精度でデジタル温度計測を提供する4チャンネルのシングルチップMCP9604デバイスへの道が開かれました。
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