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マイクロメートル単位の精度で材料分析

微小粒子をリアルタイムで高速画像解析

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マイクロメートル単位の精度で材料分析

精密な材料分析は、製薬や食品産業から建築材料、バイオテクノロジー、環境科学に至るまで、多くの産業で重要な役割を果たしています。品質保証や材料の挙動予測のためにも、粒子の精確な特性評価は欠かすことができません。開発研究所や材料研究機関、試験施設は、さまざまな課題に直面しています。粒子は粉末、液体、錠剤、砂、マイクロプラスチック、顔料など、形状や性質がさまざまです。この多岐にわたる特性を分析するため、研究施設は精度、効率、実用性のバランスを適切に取る必要があります。粒子サイズ分布のわずかな偏差(マイクロメートルやナノメートルの範囲)でも、材料特性に大きな影響を与える可能性があるため、精度と再現性は特に重要です。それと同時に、生産環境における高い処理能力に対応するため、測定品質を損なうことなく、多数のサンプルを迅速に分析する必要があります。


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- 測定前の乾燥粉末の代表的なサンプル

「Litesizer DIA シリーズを使用すると、粒子画像を直接分析することで、粒子のサイズと形状を簡単かつ正確に評価することができます。シリーズで最も高性能な Litesizer DIA 700 は、0.5 マイクロメートルから 16 ミリメートルまでの粒子サイズを測定できます」とMoitzi 博士は強調します。測定中に数千から数百万の粒子を数秒で可視化することができます。高いフレームレートと高速なデータ伝送のおかげで、短い測定時間で驚異的な数の粒子を画像化し、リアルタイムで分析することが可能となっています。


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- 動的画像分析装置 Litesizer DIA 700

「Litesizer DIA シリーズを使用すると、粒子画像を直接分析することで、粒子のサイズと形状を簡単かつ正確に評価することができます。シリーズで最も高性能な Litesizer DIA 700 は、0.5 マイクロメートルから 16 ミリメートルまでの粒子サイズを測定できます」とMoitzi 博士は強調します。測定中に数千から数百万の粒子を数秒で可視化することができます。高いフレームレートと高速なデータ伝送のおかげで、短い測定時間で驚異的な数の粒子を画像化し、リアルタイムで分析することが可能となっています。


マイクロメートル単位の精度で材料分析
- 粒子の特性がより正確に把握できるほど、材料の挙動をより正確に予測できます

100万の粒子で1%未満の誤差
「まず、代表となるサンプルを準備します。このサンプルは粉末、顆粒、懸濁液、さらには細胞などの生物学的製剤など、さまざまな材料で構成されます。原則として、1%未満の誤差を達成するには、100万個以上の粒子が必要です。サンプルは、3つの交換可能な分散ユニットの1つを使用して投入されます。これにより、乾燥粉末と分散液の両方を測定できます」とMoitzi博士は説明します。


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- Litesizer DIAは、3つの分散ユニットを1つの動的画像分析装置に統合しています

サンプルはチェンバーに入れられ、そこで連続的に移動または分散されます。粒子を運動させ続けるには、振動、気流、流体の循環など、さまざまなメカニズムを使用できます。画像フィールド内を最高 30 m/s の速度で移動する粒子は、ストロボのように照射されます。モーションブラーを避けるため、照明パルスは 100 ナノ秒未満に抑えられています。拡大倍率は3つのレンズを自動的に切り替えることで調整可能です。

高速処理への挑戦
「大量のデータをリアルタイムで処理する必要があります。」と、Christian Moitzi 氏はこのシステムの重要な要件を述べています。IDS peak SDK を用いて統合された 10GigE Vision 高速カメラは、必要とされる高いフレームレートで画像シーケンスを記録し、高速で移動する粒子の観察を可能にします。
速度に加え、インターフェースとセンサーもカメラモデルの選択において重要な要素です。Sony IMX255 グローバルシャッター CMOS センサーを内蔵した uEye Warp10 は、高解像度、高フレームレート、ノイズのない画像再現など、厳しい要件をすべて満たしています。読み出しノイズと暗電流は、センサー市場全体でも最小レベルです。5.10 MP(2472 x 2064 ピクセル)の解像度と220 fpsのフレームレートを備えたこのカメラは、高速性が求められるアプリケーションに特に適しています。高解像度により、細部まで鮮明に捉えることができます。


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- 超高速10GigE Vision産業用カメラuEye Warp10

「1GigEカメラと比較して、uEye Warp10は最大10倍の伝送帯域幅を実現しています。高解像度と高ダイナミックレンジの組み合わせにより、GV-7090WPは超高速でパワフルなオールラウンダーとして活躍します」と、IDSの2Dカメラ プロダクトオーナー、Marcus Remboldは使用されたカメラモデルについて説明しています。GenICam準拠の堅牢なuEye Warp10カメラは、ギガビットイーサネットベースのネットワークで画像情報をほぼ遅延なく転送できます。そのため、物体をモーションブラーなしで詳細に記録、分析する必要があるこのような検査タスクにおいて、その真価を発揮します。

高度な画像解析アルゴリズム
「カメラで撮影した画像は PC に転送され、そこでセグメント化され、個々の粒子のさまざまなサイズや形状のパラメータが計算されます」と、Christian Moitzi 氏は画像処理の次のステップについて説明します。「DIA の本質は、撮影した画像の解析にあります。高度な画像解析アルゴリズムとソフトウェアを使用して、画像を処理し、粒子に関する関連情報を抽出します。ユーザーはほぼリアルタイムで、平均化された粒径分布関数を結果として受け取ります。ただし、個々の粒子を分析し、全体から特殊な性質を持つ粒子の画像をフィルタリングするオプションもあります。」

建材業界の例
分析されたパラメータは、材料サンプルの特性や挙動に関する詳細な情報を提供します。これらは密度、流動性、弾道特性などのバルク材料の特性です。建材業界などの分野に有用な情報です。「セメントの品質は、粒子のサイズと形状に大きく左右され、表面、圧縮強度、硬化時間に影響を与えます」とChristian Moitzi氏は述べています。粒子が細かすぎると最終製品が放熱的に硬化し、粒子が大きすぎると完全に水和しません。セメントの流動性と水要求量は、規則的な(球状)粒子と不規則な粒子間で大きく異なります。これらの要因は、ひび割れ、収縮、または多孔性を引き起こし、セメントの品質、耐久性、機械的特性に重大な影響を及ぼす可能性があります。

今後の展望
超高速、超高解像度の 10 GigE 産業用カメラを搭載した Litesizer DIA 700 などの動的画像解析装置への投資は、長期的に見れば大きな成果をもたらします。高速画像処理とリアルタイムの正確な分析により、プロセスシーケンスが最適化され、より優れたデータに基づいて生産上の意思決定を行うことができます。より精密な粒子特性評価により、プロセス制御の向上と材料使用の最適化が実現します。例えば、より正確な計量や不良ロットの削減などが可能になります。この高速カメラ技術と高速画像処理の可用性は、レーザー回折法などの従来の方法に比べ、動的画像解析を特に魅力的で将来性のある代替手段として位置付けます。

画像の権利: Anton Paar GmbH, Graz
© 2025 IDS Imaging Development Systems GmbH

カメラ

マイクロメートル単位の精度で材料分析
uEye Warp10 - 超高速、超高解像度の 10GigE 産業用カメラ
使用されたモデル : GV-79F0WP-M-GL
カメラファミリー: uEye Warp10

クライアント

マイクロメートル単位の精度で材料分析
Anton Paar 社は、高精度な実験用測定機器およびプロセス測定システムを開発、製造、販売しており、カスタマイズされたオートメーションおよびロボティクスソリューションを世界中に提供しています。同社は密度および濃度測定、レオメトリー、CO2測定の分野における世界的マーケットリーダーです。

著者
Silke von Gemmingen
IDS Imaging Development Systems GmbH
Dimbacher Str. 10
74182 Obersulm I Germany
T: +49 7134 96196-0
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