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HMS社統計による産業用ネットワーク市場シェア動向2017

産業用デバイスの接続やインダストリアルIoTに対するニーズが増大していることで、産業用Ethernetおよびワイヤレス通信の成長が加速しています。ここではHMSインダストリアルネットワークスが毎年行っている産業用ネットワーク市場の分析結果から、主なポイントをご紹介します。現在、産業用Ethernetが全体の46%を占めています(昨年は38%)。さらに、ワイヤレス通信技術も堅調に伸び、6%に達しました(昨年は4%)。産業用Ethernetとワイヤレスのシェアを合わせると市場の52%、フィールドバスは48%となっています。

HMS社統計による産業用ネットワーク市場シェア動向2017

フィールドバス VS 産業用Ethernet、ワイヤレス 

ファクトリーオートメーション(FA)分野で2016年に新規設置されたノード数をもとに、複数の市場調査とHMS独自の販売統計を合わせて、2017年の状況を推計しました。 

HMSインダストリアルネットワークスは、今年も世界中のFA分野で新規設置されたノードに重点を置き、産業用ネットワーク市場に関する分析を行いました。HMSは、産業用通信やIoTに向けた製品・サービスの独立系サプライヤーとして、産業用ネットワーク市場の実状に即した洞察を持ち合わせています。ここでは、産業用通信における2017年のトレンドについて、HMSの認識の一部をご報告します。 

IIoTで拍車のかかる産業用Ethernetの成長 

HMSの分析では、産業用Ethernetはこれまで以上に急速に成長しており、成長率は22%に達しています。グローバルな市場シェアでみると、産業用Ethernetは昨年の38%に対し、現在46%を占めるに至りました。EtherNet/IPとPROFINETが共に首位で、PROFINETは欧州で優勢、EtherNet/IPは北米でリードを保っています。グローバルにみれば、これにEtherCAT、Modbus-TCP、Ethernet POWERLINKが続きます。 

「新規設置ノードという点では、明らかに様々なEthernetベースの産業用ネットワークへの移行が加速しているように見受けられます。こうした産業用Ethernetへの移行は、IIoTのみならず、高速化へのニーズや工場設備とITシステム間の統合の実現が大きな要因となっています。」と、HMSのマーケティングディレクターAnders Hanssonは説明しています。 

ワイヤレス技術が塗り替えるネットワーク勢力図 

ワイヤレス技術は成長率32%という急速なペースで拡大しており、現在、市場全体の6%に達しています。ワイヤレス技術の中ではWLANがもっとも普及しており、そのあとをBluetoothが追っています。「機械メーカー各社は、タブレット端末やスマートフォンなどのBYOD(Bring Your Own Device、私有デバイスの活用)を含め、革新的なオートメーションアーキテクチャや新しいソリューションで接続や制御を実現すべく、ますますワイヤレス技術を利用するようになっています」。 

フィールドバスは成長続くも減速 

フィールドバスは市場の48%を占め、もっとも広く使われているネットワークであることに変わりはありません。フィールドバスが持つ従来からのシンプルさと信頼性を多くのユーザーが求めており、今なお成長しています。しかしながら、その成長率は低下し、昨年の7%に対して現在はおよそ4%にとどまっています。フィールドバスで優勢なのは、全世界市場の14%を占めるPROFIBUSです。続いてModbus-RTUとCC-Linkがそれぞれ6%となっています。 

地域による違い 

欧州や中東では、現在のところPROFIBUSが優勢なネットワークですが、もっとも成長率が大きいのはPROFINETです。これをEtherCAT、Modbus-TCP、POWERLINKが追っています。 

米国市場ではCIPネットワークが支配的で、市場シェアではEtherNet/IPがDeviceNetを追い越しました。 

アジアでは、ネットワーク市場の細分化は明らかです。市場をリードする際立ったネットワークはありませんが、PROFIBUSやPROFINET、Ethernet/IP、Modbus、CC-Linkが広く利用されています。また、EtherCATが有力ネットワークとしての地位を固めつつあり、さらにCC-Link IE Fieldの勢いも増しています。
 

ますます多くのデバイスが接続されるように 

「ここにご紹介した概要は、業界他社による見方に加え、独自の販売統計と市場認識を踏まえた当社の総合的な見解です。興味深いのは、産業用Ethernetとワイヤレス技術を合わせれば、フィールドバスの48%に対して、今や市場の半分を超える52%を占めるようになったことです。一連の産業用Ethernetの好調さや、ワイヤレス技術の成長は、まだまだネットワーク市場が細分化されたままであり、ユーザーが様々なフィールドバスや産業用Ethernet、ワイヤレスネットワークに対する接続性を求めていることを明確に示しています。全体として、IIoTやインダストリ4.0などのトレンドに力強くけん引されるかたちで、産業用デバイスはますますネットワーク接続されるようになっています。»Connecting Devices»(あらゆるデバイスを接続する)を理念に、HMSはこうしたトレンドにしっかり応えながら、さらに成長してまいります」。 

HMS社統計による産業用ネットワーク市場シェア動向2017

HMSインダストリアルネットワークス、マーケティングディレクターAnders Hansson

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