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ルネサス、RA2L2を発表:小型・低消費電力デバイス向けUSB Type-C 2.4準拠マイコン

ルネサスのRA2L2マイコンは、USB Type-C 2.4とフルスピードUSBを低消費電力・小型設計で実現し、小型接続デバイスのシステムコスト削減とバッテリ寿命の延長を実現します。

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ルネサス、RA2L2を発表:小型・低消費電力デバイス向けUSB Type-C 2.4準拠マイコン

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下ルネサス)は、このたび、Arm® コアを搭載する32ビットマイコンRAファミリを拡充し、業界で初めてUSB Type-C®規格Release2.4に準拠した「RA2L2」グループを発売、量産を開始しました。新製品は、RA2シリーズとして、最大動作周波数48MHzのCortex®-M23コアを搭載し、低消費電力性能に優れています。USB Type-CとUSB Full Speed(12Mbps)規格の両方に準拠しているため、イヤホンの充電ケースや、荷物に同梱して温湿度を記録するデータロガー、カードリーダやハンディプリンタなど、USB充電とUSB通信の両方を必要とする小型ポータブルデバイスの、部品点数と基板面積の削減が可能です。

ルネサスのエンベデッドプロセッシング事業部、事業部長のDaryl Khooは次のように述べています。「RA2L2グループは、ルネサスとして初めてUSBフルスピードとUSB-Type Cコネクタをサポートしたマイコンです。外付け部品を削減することでシステムコストを抑制できるだけでなく、RA2L1と同様の低消費電力特性も備えています。この新製品は、お客様が求めるソリューションを迅速に提供するというルネサスの姿勢と技術力を象徴していると言えるでしょう。」

新製品は、USB Type-Cコネクタを接続した際に給電方向と給電容量を読み取ることができるCC(Configuration Channel)検出機能を搭載しています。USB Type-Cの最新仕様Release 2.4では、電圧検出の閾値が1.5A給電の場合0.613V、3.0A給電の場合1.165Vまで引き下げられました。旧仕様対応では、誤検出により、急速充電ができない可能性があります。そのため、ポータブル機器などのバッテリ搭載機器では新仕様への適用が急務となっており、ルネサスは業界で初めてこの新仕様に準拠するマイコンを発売しました。また、独自の低消費電力技術を採用し、アクティブ(動作)モードの消費電流は87.5µA/MHz、ソフトウェアスタンバイ(待機)モード時の消費電流を250nAに抑えたことにより、機器のバッテリ寿命を延ばします。


ルネサス、RA2L2を発表:小型・低消費電力デバイス向けUSB Type-C 2.4準拠マイコン

USB以外にもローパワー(LP)UART、I3C、CANインタフェースにも対応しています。特にLPUART用に独立した動作クロックを搭載したことにより、Wi-FiやBluetoothモジュールをLPUARTで接続すれば、データ受信と同時にシステムを起動させることもできます。

RA2L2の主な特長

  • CPU:最大動作周波数48MHzのArm Cortex-M23
  • メモリ:64/128KBのフラッシュメモリ、16KBのSRAM、4KBのデータフラッシュ
  • USB機能:USB Type-C Cable and Connector Specification Release 2.4、USB 2.0 Full Spead
  • その他の主な周辺機能:CAN、LPUART、SCI、SPI、I3C、I2S、12ビットA/Dコンバータ(17チャネル)、低消費電力タイマ、リアルタイムクロック、高速オンチップオシレータ(HOCO)、温度センサ
  • パッケージ:32/48/64ピンLQFP、32/48ピンQFN
  • セキュリティ:ユニークID、TRNG(真性乱数生成器)
  • 動作温度範囲: -40℃~125℃
  • 動作電圧:1.6V~5.5V、USB動作電圧:3.0V~3.6V

RA2L2は、ルネサスのFlexible Software Package(FSP)を利用できます。FSPは、さまざまなRTOSやBSP(Board Support Package)、周辺ドライバ、ミドルウェア、コネクティビティ、ネットワーク、セキュリティスタックなどの基本ソフトウェアに加え、複雑なAI、モータ制御、クラウドのソリューションを構築するためのリファレンスソフトウェアを提供することで、迅速なアプリケーション開発を可能にします。ユーザは独自のソフトウェアコードや所望のリアルタイムOSをFSPに統合することができるため、アプリケーション開発の柔軟性を高めることができます。FSPを使用することでRAファミリ間で既存のIPを相互に移行しやすくなります。

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