Microchip、将来を見据えたセキュリティを実現する量子耐性MEC175xBコントローラを発表
MicrochipのMEC175xBコントローラは、NIST標準化の量子耐性暗号をハードウェアで実装し、NSAのセキュアな組み込みシステムに関するCNSA 2.0要件に対応します。
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暗号研究の進歩とより強固なセキュリティ対策の必要性を受け、米国国家安全保障局(NSA)は、量子耐性暗号の標準規格を定義することを目的としたCommercial National Security Algorithm Suite 2.0(CNSA 2.0)を発表しました。NSAは現在、データセンターおよびコンピューティング市場に対し、今後2年以内に量子耐性暗号の取り組みを完了するよう求めています。進化するセキュリティ要件に対応するシステム設計を支援するため、Microchip Technology Incorporated(Nasdaq: MCHP)は本日、不変の量子耐性暗号をサポートするMEC175xB組み込みコントローラを発表しました。
スタンドアロン コントローラであるMEC175xBファミリは、モジュール式のアプローチを採用しており、効率的に耐量子暗号を導入して、既存の機能性を損なう事なく長期的なデータ保護を実現することができます。この低消費電力コントローラの設計には、米国NIST(国立標準技術研究所)が承認した耐量子暗号アルゴリズム、設定変更可能なセキュアブート ソリューション、高度なeSPI(拡張シリアル ペリフェラル インターフェイス)が組み込まれています。
Microchip社セキュリティ製品部門副社長のNuri Dagdevirenは次のように述べています。「将来、量子コンピューティングによって暗号が破られる可能性があり、その重大さが広く認識され始めています。こうした状況を受け、サイバー セキュリティの潮流は既に大きく変わりつつあります。Microchip社のMEC175xBコントローラは、書き換え不可のハードウェアに実装された耐量子暗号と効率的な電源管理を特長としており、複雑化するデジタル セキュリティ要件への対応に必要となる手段をお客様に提供します」
MEC175xBコントローラには、NISTによって標準化されたCNSA 2.0準拠のML-DSA (Module-Lattice-Based Digital Signature Algorithms)、Merkleステートフル ハッシュベースのLMS (Leighton-Micali Signature)検証、ML-KEM (Module-Lattice-Based Key-Encapsulation Mechanism)が組み込まれています。量子攻撃耐性を持つこれらの新しいアルゴリズムは、書き換え不可のハードウェアに実装されており、ソフトウェア実装の際に発生し得る攻撃経路を遮断します。
セキュアブートとセキュア ファームウェア更新の方式を設定することで、CNSA 1.0、CNSA 2.0、またはハイブリッドベースの署名検証を利用できます。ML-DSAを用いたアテステーション機能により署名と鍵生成を行い、システムの完全性と真正性を向上させます。コアには96 MHzで動作するMPU(メモリ保護ユニット)搭載Arm(R) Cortex(R)-M4Fプロセッサを採用し、複雑な計算やリアルタイム アプリケーションに対応する高い性能を提供します。480 KBのSRAM、I3C(R)ホストおよびクライアント インターフェイス、USB 2.0フルスピード インターフェイス (オプション)により、幅広い接続性を実現しています。
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