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電動工具などのブラシレスDCモータ駆動用に、マイコンとプリドライバ内蔵オールインワンのモータコントロールIC「RAJ306001」、「RAJ306010」を発売

設計を簡素化し、基板面積とシステムコストの大幅な削減が可能に.

電動工具などのブラシレスDCモータ駆動用に、マイコンとプリドライバ内蔵オールインワンのモータコントロールIC「RAJ306001」、「RAJ306010」を発売

マイコンとプリドライバ内蔵オールインワンのモータコントロールIC を発売

ルネサス エレクトロニクス株式会社(CEO: 柴田 英利、以下ルネサス)は、このたび、ルネサスのモータ制御ソリューションのポートフォリオを拡充し、電動工具などのバッテリ駆動機器に幅広く使われている三相ブラシレスDC(BLDC)モータ制御に最適化を図った、オールインワンのモータコントロールIC「RAJ306001」、「RAJ306010」発売、量産を開始しました。新製品は、RL78/G1Fマイコンとプリドライバなどの周辺部品をSiP(System in Package)化し、8x8mm の小型QFNパッケージに集積しました。これにより、システム設計を簡素化、効率化するとともに、実装面積を最大50%縮小し、システムコストを削減することができます。新製品は、電動工具、ドローン、掃除機、掃除ロボット、扇風機、ウォーターポンプなど、バッテリ駆動機器のモータ制御に最適です。

また新製品は、低速回転から高速回転まで高トルク制御を実現するとともに、熱対策も考慮した設計となっています。自己整合デッドタイム(Self-aligned dead time: SADT)調整機能を搭載しているほか、最大500mAまでのプリドライバ出力電流の調整が可能なため、大容量のMOSFETを駆動することができ、放熱設計を容易化します。これらにより、最適なスイッチングのタイミングでのMOSFETの駆動が可能となり、FETのスイッチングマージン時間を従来の約1/10に短縮し、発熱を抑えた高効率なモータドライブ制御を実現します。

ルネサスのインダストリアル・コミュニケーション事業部、通信&モータ制御担当Vice PresidentのChris Stephensは、次のように述べています。「充電式のコードレス機器は利便性が高い一方で、電動工具などのモータを使用した機器をコードレス化するには、サイズやコストの制約を受けながら、より高い出力レベル、長時間動作、安全性の向上を実現する必要があります。BLDCモータは、ブラシ付きDCモータに比べて小型・軽量・高信頼・長寿命であるため、これらの課題を解決する非常に有効なソリューションだと言えます。」

電気モータ、掃除機用モータ、送風機用モータなど各種コンポーネントのグローバルサプライヤであるDomel, Inc.社は、ルネサスの新たなモータコントロールIC技術をコードレス掃除機システムに採用しました。

Domel, Inc.の社長兼CEOであるPeter Korošec氏は、次のように述べています。「Domelとルネサスの技術を組み合わせたことで、競争力のある革新的ソリューションをお客様に提供できるようになりました。ルネサスとの協業により、業界最高クラスの性能と品質、そして信頼性を兼ね備えた完成度の高い掃除機用モータシステムを提供することができます。このような共同開発によって作られた最初の製品となる高性能なコードレス掃除機のソリューションは、当社の新しいBLDC掃除機用モータとルネサスのモータドライブソリューションおよびバッテリマネジメントソリューションを使用しており、300Wを超える吸引力を備え、フル充電からフルパワーで最大1時間の運転可能です。」

新製品は、ルネサスのアナログ製品やパワー製品と組み合わせることで、さまざまなモータ制御アプリケーションに対応するソリューションを実現します。例えば、RAJ306001やRAJ306010とルネサスの製品ラインアップを組み合わせた24Vコードレスミキサーや、ポータブルパワーツールなどのウィニングコンビネーションソリューションを紹介しており、ユーザはこれらのアプリケーションで重要となるコストとスペースの面で、さらに最適化した製品を開発できます。

モータコントロールIC「RAJ306001」と「RAJ306010」の主な特長

  • RL78/G1Fマイコンとプリドライバなどを8x8mm QFNパッケージに内蔵。チャージポンプ、リニアレギュレータ、電流検出アンプ、プログラマブルスルーレート制御、およびBEMF検出回路を搭載し、センサレスモータ制御を実現
  • 高集積化により基板実装面積を最適化し、制御システムのBOMコストを削減
  • 6~30V(RAJ306001)および6~42V(RAJ306010)の動作範囲に対応
  • SADT調整機能により、高効率を維持しながら発熱を抑えたMOSFETの動作が可能
  • 低速回転から高速回転までの安定動作を実現するセンサレスモータ制御により、ホールセンサや実装基板を削減可能
  • 安全規格IEC 60730への対応をはじめとした安全機能を内蔵し、エラーの検出とエラー発生時のモータの停止が可能

RAJ306010を利用してモータ制御システムを開発する開発者向けに、評価環境としてルネサスソリューションスタータキット(RSSK)を提供します。本RSSKは、開発ボード、モータ、およびリファレンスファームウェアを含んでいるため、ユーザはモータ制御のデバッグを容易に行うことができます。モータ制御設計の評価もすぐに開始でき、リアルタイムの解析やチューニングを実施しながら、開発を加速することができます。

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