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ODVA

EtherNet/IP技術のエコシステム拡大に向け、ODVAがFDTおよびFieldcomm Groupと協定、さらにxDS策定の取組みも続く

ODVAは、EtherNet/IPへのFDTおよびFDI技術のさらなる統合をはかる特別協定を結んだことをご報告します。また、CIPデバイスに関する次世代コンセプトxDSでのデバイス・ディスクリプションの追加作業も継続して推進しています。「ODVAの使命は、組立産業とプロセス産業のいずれにおいても、EtherNet/IPを業界で最高の通信ネットワークにすることです。この度の協定で、その目標に向けてもう一歩大きく踏み出したことになります」と、ODVAの会長で常任理事のDr. Al Beydounは説明しています。


 ODVAのCommon Industrial Protocol(以下CIP)を新しいFDT 3.0/FITS(以下FITS)プラットフォームでサポートするために、FDT通信仕様の付属書を策定するというODVAとFDT Groupの共同の取組みが進んでいます。FDT Groupからは、FITS通信仕様の付属書を策定する付属書プロジェクトグループを組織して、EtherNet/IPなどCIPベースのネットワークをサポートすることに合意いただきました。FITSでは、FDT2で利用可能だったクライアントサーバ/アーキテクチャがさらに拡張され、新たにエッジ、クラウド、Web、OPC UAを介して完全なアクセスが可能になります。またFITSは、オープンな.NET Coreに加えてHTML 5およびJavaScriptを採用し、プラットフォーム非依存を実現しています。

 FDT技術は、フィールド機器と制御システムの間のコンフィグレーション・インターフェースを標準化することで、通信プロトコルに依存することなく、機器パラメータへの効率的なアクセスを可能にします。そのため、EtherNet/IPなどのCIPとそのネットワーク実装をFITSと合わせてシステムを構築すると、ユーザーにとってコミッショニングや制御、診断に対する多機能で相互運用可能な環境が整います。さらにFITSでは、ネットワーク非依存の共通ソフトウェアツールの開発が可能になることで、CIPネットワークと他のネットワーク技術との相互運用性も拡大します。

 これとは別に、OVDAの会員企業とFieldcomm Group(以下FCG)が協力して、EtherNet/IP をサポートするFDI Package IDE(パッケージ統合開発環境)やFDI Host Component(ホストコンポーネント)の拡充に取り組んでいます。その目標は、EtherNet/IPからFDI技術をもっと効率よくシームレスに活用できるようにして、実装のメリットを高めることです。FDI Device Package IDEは1つのアプリケーションで、様々な通信プロトコルの産業通信機器に対応したツールを提供することにより、FDI Device Packageのコーディング・実行・テストをさらに簡単かつ効率的に行えるようになっています。

 FDI Device Packageを簡単に作成できることから、FDIをサポートするEtherNet/IP機器が増え、より多くのエンドユーザーがコンフィグレーションからコミッショニング、診断、キャリブレーションまで、その大きな改善を実感するようになるでしょう。FDIをサポートする制御システムやコンフィグレータ、アセット管理ソフトウェアで、FDI Device Packageを持つEtherNet/IP機器が活用できるからです。FDI Device Packageを組み込んでおけば、相互運用性が向上するうえ、EtherNet/IP機器のコミッショニングに対するエンドユーザーの負担も軽減されます。

 ほかにもODVAは、機器コンフィグレーションの強化に関して、SIG(Special Interest Group〔技術部会〕)を通じて取り組んでいます。このSIGでは、EtherNet/IP機器データのデジタル・ディスクリプションにおける次世代の仕様づくりを進めており、これをxDSと呼んでいます。xDSでは、ネットワークやセキュリティ設定など機器の組み込みに対するワークフロー駆動型のデバイス・ディスクリプション・ファイルのほか、デジタルツインやクラウド型分析などのデジタル事業モデルが実現可能になります。その仕様策定作業に加えて、ODVAはxDSデバイス・ディスクリプション・ファイルの開発を容易にするツールや機器統合ツールでの利用、さらにはxDSファイルのコンフォーマンステストにも取り組んでいます。

 CIP機器に対するxDSのデバイス・ディスクリプションは、最終的にこれまでのEDSファイルを置き換えることになります。xDSは、従来の確立された技術を利用しているプロセス産業と組立産業のいずれにおいても、そのツールやシステムで幅広く使用できるようにします。xDSによって個別に定義した機器情報ファイルがもつ豊富なデータを、FITSとFDI Device Packageの両方に受け渡すことができます。FDT GroupとFCGが主導する活動に歩調を合わせたxDSの取組みによって、ODVAは付加価値の高いユーザーインターフェースやビジネスロジック、デバイス情報技術における次の時代を見据えた道を歩んでいます。ODVAのFDT GroupおよびFCGとのパートナーシップは、ベンダーとエンドユーザー両者にとって、そのニーズを最もよく満たす理想的なソリューションとしての選択肢になるに違いありません。


 ODVAは、垂直市場において産業オートメーションを求めるお客様のニーズに最適に応えようとEtherNet/IPの強化を続けています。FDT GroupやFCGとの共同の取組みは、xDS仕様の拡充作業とともに、EtherNet/IP技術を中心としたエコシステム拡大の重要な一部です。エコシステムの拡大は、機器メーカーにとっても、エンドユーザーにとっても、その技術や知見を高め、インダストリー4.0やIIoTによる将来の可能性につながります。ODVAとFDT Group、またODVAとFCGによる共同の取組みには、いずれもxDSが提唱するロバストなCIPの情報モデルの強みが活かされています。


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