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Walter AG、TD610 Supreme ねじ切り用エンドミルを発表

新世代のねじ切り用エンドミルは、複数材料に対応するねじ加工において、工具寿命、加工時間、プロセス安定性の向上を目的として設計されている。

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Walter AG、TD610 Supreme ねじ切り用エンドミルを発表

Walter AG の TD610 Supreme ねじ切り用エンドミルは、高い信頼性と再現性のある工具性能が求められる加工工程を対象としており、幅広い ISO 材料グループにおける単品加工および量産加工に適している。

TC610 から TD610 へ:寿命とサイクルタイムの定量的改善
TD610 Supreme は TC610 Supreme の後継として、工具寿命と加工時間の両面で実証された改善を実現している。社内試験では、従来モデルだけでなく、市場に流通する同種のねじ切り用エンドミルと比較しても、長い使用寿命と短い加工時間が確認された。これらの改善は、切削条件の変更ではなく、コーティング技術と工具形状の最適化によって達成されている。

摩耗抑制に寄与する HiPIMS コーティング
技術的な中核となる変更点は、HiPIMS プロセスによって成膜された WB10TU AlTiSiN コーティングの採用である。従来の PVD コーティングと比較して、HiPIMS により形成される被膜は高密度で平滑性が高く、母材への密着性にも優れる。これにより、切れ刃での摩耗や凝着摩耗が低減され、鋼材、ステンレス鋼、鋳鉄、非鉄金属、耐熱合金の加工において工具寿命の延長につながる。コーティングの靭性は、高い切削速度においても早期の刃先損傷を抑制する。

曲げと振動を抑える工具形状
TD610 Supreme は、テーパ形状の「トランペットネック」と最適化された溝形状を採用し、ねじ切り加工時に発生する曲げモーメントを低減している。この設計により、工具にかかる機械的負荷が軽減され、破損リスクの低下と摩耗後の再研磨が可能となる。不等ピッチの溝配置は、特に短いねじ加工において振動を抑制し、ねじ形状精度および表面品質の向上に寄与する。

切れ刃仕上げとねじ品質への影響
切れ刃を研磨仕上げすることで、微小欠けや切削部での摩擦を低減している。この処理は局所的な発熱と摩耗を抑え、ねじ形状の安定性を維持したまま高い切削条件の適用を可能にする。その結果、半径補正などの調整作業が減少し、一貫したねじ品質が得られる。

適用範囲と生産工程への適合性
ソリッド歯形のねじ切り用エンドミルは、ISO 材料グループ P、M、K、N、S における通り穴および止まり穴のねじ加工に対応し、被削材硬度は最大 48 HRC までカバーする。サイズは M4 から M20 まで用意され、最大ねじ深さは 1.5 × D(N) に対応する。内部給油仕様と非給油仕様が用意されており、工作機械構成や熱管理方針に応じた選択が可能である。

加工プロセスの安定性が高く、パラメータ補正の必要性が少ないことから、TD610 Supreme は単品加工と量産加工の双方に適している。特に高付加価値部品の加工では、工具破損やねじ品質のばらつきがスクラップや再加工につながるため、その特性が有効とされる。

ねじ切り工具市場における位置づけ
ソリッド超硬ねじ切り用エンドミルの分野では、工具寿命、振動特性、複数材料における到達可能な切削速度が主な評価指標となる。TD610 Supreme は、耐摩耗コーティング、振動低減形状、切れ刃仕上げによってこれらの基準に対応し、特定材料向けの専用工具ではなく、高負荷なねじ切り加工に対応するプロセス安定型の選択肢として位置づけられている。

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