PC制御とEtherCATで進化する金属積層造形
IRPDがBeckhoff技術を採用し、高品質・高効率な金属AMプラットフォームを構築。
www.beckhoff.com

スイス・ザンクトガレンに拠点を置く IRPD は、産業用途向け金属積層造形機の開発において、ベッコフオートメーション のPCベース制御技術とEtherCATを採用した次世代プラットフォームを構築した。これにより、生産性、造形品質の再現性、工程全体の効率化といった金属アディティブマニュファクチャリング(AM)分野の主要課題への対応を図っている。
産業用途で求められる金属積層造形の課題
近年、金属積層造形は試作用途から量産や高付加価値部品製造へと適用範囲を拡大している。一方で、安定した品質管理、高速造形、ダウンタイム低減、将来的な機能拡張への対応といった要求が高まっている。IRPDは、こうした産業要件を満たすため、制御性能と拡張性を重視したシステムアーキテクチャを検討した。
コンテナ方式LPBF装置「IMPACT 4530」
IRPDが開発した「IMPACT 4530」は、レーザー粉末床溶融法(LPBF)を採用した金属積層造形機で、4基の1,000Wファイバーレーザーと広い造形エリアを組み合わせ、多様な金属材料に対応する。
特長の一つであるコンテナ方式は、造形用コンテナと粉末供給コンテナを自動でドッキングする構成とし、段取り作業の標準化とダウンタイム削減を実現している。さらに、粉末再利用システムや造形板搬送モジュールなどを組み合わせることで、工程全体の自動化と効率化を図っている。
高速・高精度制御を支えるPC制御とEtherCAT
IMPACT 4530では、レーザー走査制御を除くすべての機械機能を、ベッコフのPCベース制御で統合管理している。制御の中核には制御盤格納型産業用PC「C6675」を採用し、軸制御、空気圧、不活性ガス循環、冷却、安全機能を一元的に制御する。
ソフトウェアにはTwinCATを用い、PLC、モーション、HMI、ビジョン、安全機能を単一環境で開発・運用している。
モーション制御にはAX8000多軸サーボシステムとAM8000サーボモーターを採用し、ワンケーブルテクノロジー(OCT)により配線工数と保守負荷を低減した。EtherCAT I/OおよびTwinSAFEモジュールは、柔軟なI/O構成と安全設計を可能にし、ホットコネクト機能によりシステム停止を伴わない拡張や保守にも対応している。

将来拡張を見据えた制御基盤
IRPDは、PC制御のオープン性と演算性能を活かし、造形品質モニタリング、データ解析、機械学習などの将来機能拡張も視野に入れている。C6675は、現在の制御要件を満たすだけでなく、今後のAI活用やビッグデータ処理にも対応可能な余力を備える。
導入効果と位置付け
ベッコフのPC制御とEtherCATを基盤とすることで、IRPDは金属積層造形において、高い制御精度、安定した造形プロセス、将来への拡張性を両立したプラットフォームを確立した。IMPACT 4530は、現在の産業生産要件に対応すると同時に、次世代の金属アディティブマニュファクチャリングを支える基盤技術として位置付けられている。
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