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SEEPEX

SEEPEXは廃水処理プラントのための省エネ・パッケージを提供しています

SEEPEXの特許技術である汚泥圧送システムSmart Air Injection(SAI)は、世界中の廃水処理プラントでコスト削減を実現しています。多くのお客様がエネルギー効率に優れたこの技術に満足されていますが、その1つにドイツ・ハンブルク近郊のヘトリンゲン下水処理場があります。同処理場では、高濃度汚泥の搬送だけで約20~25%の省エネができるようになりました。


SEEPEXは廃水処理プラントのための省エネ・パッケージを提供しています

地方自治体の水道施設において新しいポンプ技術の購入が検討される場合、環境面と経済性に対する評価が決め手となります。そのためSEEPEXの省エネで保守に手のかからないSAIシステムが世界中で使われており、1km以上先にさえなることもある目的地へと高密度の汚泥を低い圧力のもとで確実に搬送しています。

2つの搬送技術を組み合わせたカスタム・ソリューション
一軸ねじ式ポンプとそのシステムおよびデジタル・ソリューションで世界をリードする専門企業SEEPEXは、SAIを活用したカスタム仕様のシステム・ソリューションも手掛けています。このソリューションでは一軸ねじ式ポンプと高濃度空気輸送を組み合わせ、従来の他の搬送技術に比べて特にエネルギー効率に優れた方法で、脱水率の高い汚泥を短いプラグ(円筒状の塊)にして断続的に搬送します。原理としては、古き良き時代に活躍したエアシュータによる配送システムに似ています。このような搬送原理なら、摩擦損失が発生するのはプラグ外周のみとなり、パイプ全体で生じることがないため、PN10規格のパイプが使えるような低圧で最長1kmにおよぶ搬送ができるなど他にはない多数のメリットが実現します。

日本の自治体が運営する水道施設でも、従来からのプロセスを海外で長年にわたって十分な実績のある同ソリューションへと変えていただければ、その費用をすぐに回収することができるでしょう。この革新的なSAI技術は欧州・米国・中国で特許を取得しており、すでに80を超えるお客様が有効に活用されています。

ドイツ・ハンブルク北西にあるヘトリンゲン下水処理場は、写真でもわかるように有名なエルベ川に隣接しています。

下水処理委員会が運営するドイツ・ハンブルク北西のヘトリンゲン下水処理場は、40以上の町や集落の生活を支えるために年間3,100万m3の下水を処理し、その結果発生する約46,000トンもの汚泥を嫌気性処理により安定化させて遠心分離機で脱水し、さらにサイロに搬送するという作業を行っています。具体的には嫌気性安定化処理によって分解された汚泥を別の建屋にある遠心分離機で脱水し、ホッパーを通して地下のポンプ室へ落とします。以前は、そこから2台のピストンポンプを使って60 m離れた場所にある高さ30 mのサイロ2基に圧送し、その後、熱エネルギーを回収するため所外の焼却場までその脱水汚泥をトラックで搬送していました。改修計画の一環として遠心分離機を交換しようということになりましたが、このピストンポンプでは能力が足りないうえ、保守に関する要件やエネルギーコストが非常に高いことがわかりました。

そこで、遠心分離機の交換に合わせて固形物のハンドリング技術と搬送ポンプの向上が必要と考えたHetlingen下水処理場から、SEEPEXへ相談が寄せられます。その主たる課題は、濃縮汚泥サイロの見直しとともに、既存のインフラに収まるような新しい高密度汚泥の搬送システムを見出すことでした。特に処理場の運営者側の意向としては、保守やエネルギーコストと同時に、保守の際のダウンタイムも最小限に抑えられるようなシステムにしたいというのです。そのため、既存のピストンポンプと直接比較して、総所有コスト(TCO)の大幅な削減を図ることを目標としました。さらに、同処理場の管理者は、将来の改修にも対応できるいっそう柔軟性の高いシステムにしたいとも望んでいました。脱水用の遠心分離機はすでに発注済みであったため、汚泥を5~15 m³/hの速度で2基のサイロに搬送できるソリューションを早く見つけなければなりません。しかも、既存のインフラに収容でき、処理場の運転の妨げとならないようなソリューションです。

SEEPEXの専門スタッフは、具体的な状況について綿密な打ち合わせと広範な調査を行ったのち、この処理場に合わせて完全にカスタマイズしたソリューションの開発に着手しました。その結果、SEEPEXは2基構成で冗長化したシステムを納入・設置する一括請負企業に選ばれました。ご提供の内容には、設置や配管、配線作業も含まれていましたが、6か月とかからず納品を完了しました。このカスタム仕様のSAIには、ロータ側接合部に簡単にアクセスして取り外しが行えるスライド可能な部品(Rotor Joint Access技術)を備えたホッパー付ポンプ(BTHE 130-12)のほか、潤滑剤供給のための定量ポンプ、コンプレッサとエアタンクからなる圧縮空気システム、制御装置を内蔵した制御盤を合わせて用意しました。さらにSEEPEXは、必要なセンサと遮断バルブを含めて、2本の独立したパイプライン(ステンレス鋼のPN16・DN250)を90m(水平60m・垂直30m)にわたって設置しました。また、統合型オートメーション技術であるSAI制御装置によって、屋外のサイロ2基へ必要に応じて搬送できるようにしています。


SEEPEXは廃水処理プラントのための省エネ・パッケージを提供しています
Smart Air Injection(SAI)には、圧縮空気の接続口と潤滑剤の注入口が設けられています。

高濃度空気輸送に補助潤滑剤を用いることで、パイプラインでの摩擦損失を最小限に抑えました。またパイプラインの動作圧力が、油圧ピストンポンプを使っていたころは最大7MPaにも達していたのに対し、わずか0.2~0.3 MPaでの稼働となり、SAIの特長である低圧力動作がヘトリンゲン下水処理場でも改めて証明されました。このように動作圧力が低下したことで、PN16規格のステンレス鋼パイプを使うことが可能になっています。動作圧力が非常に高い従来のソリューションと比べて圧力レベルが低いため、配管類の購入にかかる費用も節約できるのです。

さらに、動作圧力が低いことから、ポンプを含めたすべての配管部品の寿命が大幅に向上します。なにより、SAIならピストンポンプと比較して年間約20~25%も省エネです。ハウジングにスライド部品を設けたRotor Joint Accessという保守支援コンセプトにより、ポンプのメンテナンスを軽減して、その費用も削減できるようにしています。ロータ側の接合部に迅速かつ簡単にアクセスでき、継手やステータを取り外す必要はありません。このようにSAIシステムという革新的ソリューションが大幅な保守の容易化を実現しているのです。

これらの新ポンプが本格稼働を始めると、ヘトリンゲン下水処理場では運転中に作業者の介在が必要となる回数が減って、全体的な操業がもっと円滑になるに違いありません。また、ポンプの稼働にともなうエネルギー消費が大幅に減少しますので、処理場としてのカーボン・フットプリントが削減され、その環境保護対策も大きく前進するでしょう。

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