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Rohm Semiconductors News

小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

ワイヤレスチャージャーモジュール「BP3621」「BP3622」を開発 最適化されたアンテナ・レイアウト設計技術の搭載で開発工数削減に貢献。

小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、スマートタグ・スマートカード等の小型機器やPC周辺機器などで、容易に無線給電機能を実現するアンテナ基板一体型の小型ワイヤレスチャージャーモジュール「BP3621(送電モジュール)」「BP3622(受電モジュール)」を開発しました。

新製品は、13.56MHz高周波数帯を用いた小型無線給電システムを構築するために、最適なアンテナ(コイル)・レイアウト設計技術を搭載したおよそ20mm~30mm角サイズの小型モジュールで最大200mWまでの給電量に対応します。これまで無線給電化が難しかった小型・薄型機器への実装を容易にするとともに、裏面フルフラットの基板構造により筐体設計の自由度向上にも貢献します。また、送電モジュールと受電モジュールをペアで使用することにより、給電効率の最適化に必要な試作・調整・評価等の開発工数も削減。さらに、内蔵アンテナで双方向のデータ通信やNFC Forum Type3 Tag*1に対応できるため、アプリケーションの通信機能拡張にも貢献します。

新製品は、2021年10月より量産体制を構築しており、11月からインターネット販売(チップワンストップ、コアスタッフオンラインにて購入可能)を開始しています。生産拠点は、ローム・アポロ株式会社(福岡県)となります。

ロームは今後も、対応できるアプリケーションの拡大に向けて小型形状や高出力モジュールのラインアップを拡充していく予定です。


小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

<背景>
近年、スマートフォン、スマートウォッチなど幅広いアプリケーションで、接点端子を無くし、防水・防塵性を高めることができる無線給電機能の導入が加速しています。しかし、既存の無線給電規格は周波数が低く、規格準拠するためにはアンテナの小型化に限界があり、より汎用的に小型機器で利用できる規格・方式への期待が高まっています。また無線給電機能は、アンテナ形状・サイズ・距離によって給電効率が変わるため、その実装には電子機器側で試作・調整・評価等を繰り返す必要があり、アンテナ設計・レイアウト設計において、非常に多くの開発負荷が課題となっていました。

こうした中、ロームでは小型・薄型機器で無線給電機能を容易に実現できる13.56MHzワイヤレスチャージャーモジュールを開発しました。


小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

<新製品の特長>
1.アンテナ基板一体型モジュールにより開発工数を大幅削減し、容易に無線給電機能を実現
新製品は、ローム独自のシミュレーションを駆使したアンテナ設計技術およびマッチング調整、配線ロスを低減する基板レイアウト設計技術を搭載したアンテナ基板一体型のモジュールです。送電モジュールと受電モジュールをペアで使用することにより、最大200mWの給電量を実現します。アンテナと制御回路を別で構成する場合と比べて、給電特性を保証しているため、アンテナ設計・レイアウト設計や給電評価を行うことなく製品評価が可能。開発工数や基板修正における設計負荷を大幅に削減し、容易に無線給電機能を実現できます。


小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

2.13.56MHz高周波数帯の採用でモジュールの小型化を実現、筐体設計の自由度向上に貢献
新製品は、スマートタグなどの小型機器やマウスなどのPC周辺機器に向けて、13.56MHz高周波数帯の磁界共鳴方式*2採用によりアンテナを小型化。既存の無線給電規格で難しかったアンテナ・マッチング回路・ワイヤレスチャージャーICを内蔵した小型モジュールを実現しました。また、無線給電製品として接点端子をなくして防水・防塵性を高めるだけでなく、搭載部品をすべて表面に実装した裏面フルフラットの基板構造により、筐体への貼り付けを容易にすることで、筐体構造のシンプル化や設計の自由度向上に貢献します。


小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

3.モジュール内蔵のアンテナでアプリケーションのデータ通信機能拡張に貢献
新製品は、NFC通信規格と同じ13.56MHzの高周波数帯を使用しているため、モジュール内蔵のアンテナで給電と通信の双方に対応できます。双方向のデータ通信(通信速度212kbpsで最大256バイト)やNFC Forum Type3 Tagのタグ通信が可能となり、ファームウェアのダウンロード、センサデータ・デバイス情報・認証情報のセキュアなデータ転送や書き換え、バッテリー出力電圧値の転送といったアプリケーションのデータ通信機能拡張に貢献します。

<製品ラインアップ>

小型・薄型機器の無線給電化を容易に実現する

<公開サポート情報>
ロームの公式Webサイト上にて、無線給電機能を構築するために必要な下記データを公開しています。
◇データシート(BP3621/BP3622) ◇アプリケーションノート

<アプリケーション例>
スマートタグ、スマートカード・IDカードなどの小型機器、
マウスやリモコンなどのPC周辺機器、ヘルスケア向け小型機器

<用語説明>
※1)NFC Forum Type3 Tag:

NFC(Near Field Communication)とは、13.56MHzの周波数を使用して触れる程度の距離で通信する近距離通信技術で、NFCフォーラムにて仕様を定義している。Type3はタグ規格の一つ。

※2)磁界共鳴方式:
送受電に用いるアンテナ(コイル)を共鳴状態にして磁場の振動を伝え、電流を流す方式。

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