安全かつ高能率

2018-04-05
ハイマー社切削工具の抜け防止システム Safe-λock™セーフロック、はまさに産業界の事実上の標準になりつつある。

ハイマー社Safe-λock™切削工具抜け防止システムは切削工具の安全な取り付けを約束する。ホルダの内側にある特殊ドライブキーが切削工具のストレートシャンク上に設けられた螺旋溝にぴったりはまることにより、摩擦締め付け力と「ポジティブロッキングフォームフィット=絶対に抜けないはめ合い」を生み出している。これにより切削工具がホルダから抜けてくることを効果的に防いでいる。さらにはこれによって許容速度を上げるのと工具寿命を伸ばすことによって生産性を高めることができる。

これまで既にSafe-λock™ はミーリング加工における事実上の業界標準になっている。これまでの10年間で、Safe-λock™システムの紹介依頼、この工具締め付け方式は従来一般的なミーリングチャックやサイドロック式ホルダより優れていることが繰り返し確認されている。このことは多くのライセンスパートナーを見ればわかることで、このうちの何社かは世界中のトップを走る切削工具やホルダのメーカー達であり、例えば、ワルター、ウィディア、サンドヴィックコロマント、セコツール、住友電工、ケナメタル、ヘリカル、エムーゲフランケン、ナイアガラ、OSGやマパールがある。2017年には、イスカルやインガソルもSafe-λock™シャンクのついた工具を提供することを決めた。さらには、Safe-λock™仕様の焼き嵌め、コレット、油圧チャック商品群がこの数年間で飛躍的に増大した。ケナメタル社が作るSafe-λock™付油圧チャックに加えて、マパールはSafe-λock™仕様の油圧チャックを既に市場に提供している。

ハイマー社専務、アンドレアス・ハイマー曰く、「Safe-λock™抜け防止システムこれ自体が重切削および荒加工業界においては新しい標準となっていること、またさらにはトロコイダルミーリングのような新たな分野においてもますます重要になっていることに誇りを感じております。弊社の新たなライセンスパートナー達のおかげでSafe-λock™商品群がどんどん広がりを見せ、今では多くのユーザーがこれを一般的に使うことができるようになっていることに大変な幸せを感じています」

宇宙航空機産業における成功

Safe-λock™は重切削加工の要求から生まれたものであり、これは宇宙航空機、またはエネルギー産業において日常直面する課題である。革新的な素材、例えば各種チタン合金は単に軽いだけでなく大変剛性が高く腐食に強く、その上加工が難しい。このことは機械のコンセプトや加工プロセスに影響を与えるだけでなく、使用する切削工具やホルダにも影響を与える。

宇宙航空機産業の場合、多くの加工物は素材の塊からできている‐これはミーリング加工によって90%まで削られる。このミーリングの行程を経済的かつ高い品質を保ちながら高い切粉排出量を得るためには高トルク、高い送り、低速回転が選ばれる。ただし、この高能率切削加工(HPC)の最中には強い引っ張り力が発生する。高い切削力と高い送りの組み合わせによってホルダが把握する切削工具には曲げの動きが発生し、最後には工具の抜け出るリスクが増大する。これは精度の高い締め付けと高い振れ精度を提供するあらゆるホルダ、例えば焼き嵌めチャック、油圧チャック、ミーリングチャック等の設計に影響を与える。

結果Safe-λock™は宇宙航空機産業において今では大きな広がりを見せている。ミュンヘンにあるMTUエアロエンジン社のステイターコンポーネントNCプログラミングシニアマネージャーであるアレキサンダー・ストイラー氏は、HAIMERシステムを採用する決定を説明している、曰く、「Safe-λock™とハイマー社焼き嵌め技術の採用によって、私たちはたとえ超難削材である高温部素材のミーリングでさえ、安定加工を保証することができます。これは、弊社の高度な自動化を生かすためにはフレームやカースティング材料を加工するにあたりスムーズな工程が保証できる前提条件となります」

Safe-λock™の特長である、抜け防止と高い振れ精度の組み合わせは、ビビリ振動を抑え、結果安定した加工工程を実現する。Safe-λock™のおかげで切込み深さと送りを上げることにより切粉排出量を大幅に増大することができる。これをハイマー社焼き嵌めチャックの持つ高い振れ精度と組み合わせると工具寿命は50%まで伸ばすことができる。

MTU社でこれまで長らくホイスルノッチやウェルドンシステムを使用していたのをやめて、HAIMERシステムに変えた大きな理由の一つは、3ミクロン以内の高い振れ精度を、Safe-λock™の左右対称である設計により最高のバランス性を実現し、更には工具長さ調整ができる特長を合わせたものが評価されたことである。これまでのシステムでも切削工具の抜け防止には役に立ったが、左右非対称であり、振れ精度とバランス精度に難点があった。

Safe-λock™による高い生産性

しかしながらSafe-λock™は宇宙航空機産業にだけ熱狂的なユーザーを見つけたのではない。グレツァ社のダニエル・ラウテンバッハ氏は自動車産業がいかに競争が激しいかを知っている。同社はゾリンゲンにあり、CNC加工のスペシャリストであり同社の社長であるラウテンバッハ氏曰く、「完璧な品質と納期における信頼性が我々の属する産業界で生き残るための基本条件です。価格は大変に競争が激しい」ということであり、彼のようなビジネスでは、利益と損失の違いが工程の効率に大きな影響を与える。つまり妥協のない品質が絶対条件である。

この分野では最大規模のプロジェクトの一つを通じてグレツァ社加工責任者であるインゴ・シュルテン氏はハイマー社のSafe-λock™システムを知り既に2013年半ばにはこれを使い始めていた。同社の特別な応用例は、空気圧によって可動するトラックのディスクブレーキのパーツであり、ダクタイル鋳鉄でできている。この窪んだ形状を輪郭加工をするためには切削工具と加工物の接触は一定ではない難しい加工であり切削全体の3割‐4割を占めている。インゴ・シュルテン氏曰く、「大きな切削面による大きな切削力はまさにホルダから切削工具が抜けやすい条件を生み出しています」そこで使用されていたのがウェルドンチャックであり、これにより切削工具は確かにホルダから抜け出ることはないが、サイドロックスクリュによって振れ精度は犠牲になっていた。シュルテン氏によれば「切削工具寿命は大変不安定であり、時には工具の折損にも繋がっていました」

そこで行われたSafe-λock™のミーリングテストによりグレツァ社のシュルテン氏とほかの社員たちは自信を深めることができた。曰く、「Safe-λock™への切り替えははっきり見えましたし、それはまるで昔の車がクランクで始動したのからその後電動スターターに変わったのと同じでした」シュルテン氏は熱く語り、「切削条件が大幅に改善しました。工具寿命は安定して40%も伸びました」

高速加工のメリット

Safe-λock™は他の産業界、強ねじれエンドミルによる高速加工や、また、トロコイダルミーリングでもなお一層広がりを見せている。例えば、トロコイダルミーリング加工の場合、切削速度と軸方向の切込み深さをソフトの助けによって増やすことができ、加工能率が飛躍的に改善される。このように、ミーリング加工は今日切込み深さを増しながら以前より3倍も速い加工速度で行われるようになってきた、しかも同じことが難削材加工にさえあてはめることができる。

ただし、このことは工具の抜けの危険を増大することでもある。トロコイダルミーリング加工の場合、切込みを薄くすることが多いが、同時に切削工具刃長をフルに使って加工することが多い。このことは結果軸方向に大きな抜け勝手の力を生じ、作業者は工具を安全、確実に締め付けることに細心の注意をしなければならない。Safe-λock™を備えた焼き嵌めチャックはウェルドンシステムよりはるかに安全であり、取り付けも簡単かつ正確な締め付けができまさに理想的な解決策である。理想的なバランス性と高い振れ精度を特長とする焼き嵌め技術をSafe-λock™システムの持つ締め付け安全性と融合することにより、切削速度を高め工具寿命を延ばし、しかも安全性を確保することによって、大幅に改善された生産性を可能にする。

INFO BOX

安全で能率的なツールクランプ

Safe-λock™の原理は次のごとく説明できる、つまり:螺旋状の溝が工具シャンクに研磨加工によって形成される、そしてこの溝はホルダにあるドライブキーと同じ角度である。ホルダ(焼き嵌めチャック、コレットチャック、油圧チャック、等)の内部にはEDM加工により一体型のこのドライブキーが形成され、これが螺旋状の溝と組み合わさることにより、極端に厳しい加工中に起こる切削工具の回転方向のスリップとかホルダから抜け出すといった現象を防ぎ、高価な加工物を生産するときに発生する高価なダメージを防ぐことができる。抜け防止と高い振れ精度が組み合わさることによりビビり振動を抑え、高い切粉排出量を実現する。これにより切込み深さを増やし送りを増やし、生産性を改善することができる。付け加えて、工具の摩耗を低く抑えることができる。

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Haimer Safe-λock™ ライセンスパートナー
2017年には切削工具分野のイスカル社とインガソル社が新たなライセンスパートナーとして加わった。工具プログラムの極めて多種多様な商品提供により
Safe-λock™は広く様々な産業界の標準となった。
Picture: Haimer

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MTU Aero Engines社では軍用ターボプロップエンジンTP400-D6の生産で過酷な荒取り加工にハイマー社Safe-λock™を採用している。MTU社はTP400-D6の中間圧力コンプレッサーと中間圧力タービン及びシャフトの生産責任とエンジンコントロールユニットの生産分担をしている。さらに、全てのTP400-D6エンジンの最終組み立てはミュンヘンにあるMTU Aero Engine社で行われている。
Picture: MTU Aero Engines

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グレツァ社CEOダニエル・ラウテンバッハ氏(写真右)と製造責任者インゴ・シュルテン氏はSafe-λock™付とそうでないものを含めてハイマー社の焼き嵌め技術の応用拡大を続けている。曰く、「我々にとっては今後積極的にSafe-λock™に変えていく方向はちょうど車エンジンを始動するときに昔のクランク始動が今は電気モータになっているのと同じくらいはっきりしています。」
Picture: Haimer

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トロコイダルミーリングはステンレスやチタン合金を含めた難削材に対しても従来比3倍速く加工できます。この加工において理想的なツールはSafe-λock™付きのパワーエンドミルとホルダです。
Picture: Haimer
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