ついに産業用Ethernetのシェアがフィールドバスを上回る 産業用ネットワーク市場シェア動向2018(HMS社統計による)

2018-03-05
これは、HMSインダストリアルネットワークスが毎年行っている産業用ネットワーク市場の分析結果です。ファクトリーオートメーション(FA)分野における新規設置ノード数は、産業用Ethernetのシェアが従来のフィールドバスのシェアをついに上回りました。産業用Ethernetは、新規設置ノードの52%(昨年値46%)を占めるに至った一方で、フィールドバスは42%(同48%)となっています。EtherNet/IPが今年最も多く設置されるネットワークとなり15%、PROFINETとPROFIBUSが共にそれぞれ12%となっています。さらに、ワイヤレステクノロジーも存在感を示しており、市場シェアの6%を占めています。HMSインダストリアルネットワークス、最高マーケティング責任者(CMO)Anders Hansson

HMSインダストリアルネットワークスから、今年もグローバルなFA市場における新規設置ノード数に焦点を置いた、産業用ネットワーク市場の分析結果をご紹介します。産業用通信やIoT向けの製品・サービスを提供する独立系サプライヤーとして、HMSは産業用ネットワーク市場の実態をベースとした多くの情報・見識を持ち合わせています。ここでは、HMS が認識する2018年の産業用通信の動向予測と、過去5年間の推移を振り返ります。

 

産業用Ethernet―産業用IoTIIoT)を原動力に成長 

産業用Ethernetは、何年にもわたり従来のフィールドバスよりも速いスピードで成長してきており、その結果ついにフィールドバスのシェアを上回りました。昨年の 46% に対し、産業用 Ethernet 22% の成長率で現在のグローバル市場の 52% を占めるまでになりました。その中でも EtherNet/IP が市場の 15% を占め、最も大きなシェアを持つネットワークとなりました。 Ethernet ベースのネットワークでは、PROFINETEtherCATModbus-TCPEthernet POWERLINK が続いています。 

CMO (Cheif Marketing Officer) Anders Hansson は、「当社は長年にわたり産業用 Ethernet の推移を見てきましたが、新規設置ノード数において今回初めてフィールドバスを上回りました。産業用 Ethernet への移行は、高性能に対するニーズ、工場設備や IT/IoT システム間の統合、そして全体的には産業用 IoT の高まりに後押しされています。」と見解を述べています。

 

フィールドバスは健闘しているものの、減少の見込み 

特定の業界の後押しや産業界におけるサイバーセキュリティの懸念もあり、フィールドバスも成長は続けています。しかしながら、現状 6% の成長率(昨年値 4%)であり、フィールドバスの導入数は今後数年で徐々に減少していくと見られます。大きなシェアを占めるフィールドバスは依然として PROFIBUS で世界市場の 12%Modbus-RTU CC-Link がそれぞれ 6% で続いています。

 

ネットワーク勢力図を塗り替えるワイヤレス技術 

ワイヤレス技術もまた 32% の成長率で成長しており、市場全体の 6% に達しています。ワイヤレス技術の中では WLAN が最も普及しており、その後を Bluetooth が追っています。 「ワイヤレス技術は革新的なオートメーションアーキテクチャの実現のために機械メーカーやシステムインテグレーターにより導入が進んでいます。ユーザーは、ケーブル配線を減らし、タブレットやスマートフォンの BYOD(私有デバイスの活用)など、接続と制御の新たなソリューション構築を実現しています。」

 

地域ごとの特色 

欧州や中東では、PROFINET EtherNet/IP がリードしており、PROFIBUS もまだ広く使われています。他にも EtherCATModbus-TCPEthernet POWERLINK がよく使われています。 

米国市場では CIP ネットワークが支配的であり、 EtherNet/IP への移行が明確となっています。アジアでは、市場をリードするような突出したネットワークがないものの、PROFINETEtherNet/IPPROFIBUSEtherCATModbus そして CC-Link が広く使われており、Ethernet 系の CC-Link IE Field が勢いを増しています。
 

過去 5 年の産業用ネットワークの推移 

今年は市場分析を行う中で、その市場規模を着実に伸ばしている産業用ネットワークの過去 5 年を振り返りました。まず、HMS としては、2017 年に市場シェアの面でついに産業用 Ethernet がフィールドバスを上回ったという結論に至りました。「産業用ネットワークの普及は、過去 5 年で着実に進んできました。産業用 Ethernet が市場の 52% を占め、ついにフィールドバスを追い抜いたというのは興味深く、 Ethernet/IP が市場をリードするネットワークとなりました。 

それでもやはり、この統計からもわかるように、ネットワーク市場は依然として細分化されたままであり、ユーザーはアプリケーションによってさまざまなネットワークへの接続性を求めていることがわかります。産業用 IoT Industry 4.0 に後押しされる形で、この先産業機器がますますネットワーク接続されることは明らかです。当社では、"Connecting Devices" (あらゆるデバイスを接続する)を理念に、こうしたトレンドと共に成長してまいります。」

 

 

1: フィールドバス vs. 産業用Ethernet、ワイヤレス


2: フィールドバス、産業用Ethernetおよびワイヤレスの過去5年の推移。現在では、産業用Ethernetがフィールドバスよりも大きな市場シェアを占めています。

 

この分析結果について: 

この分析結果には、2017年にFA分野において新規設置されたノード数に基づいたHMSによる2018年の予測値が含まれています。産業用ネットワークに接続された機械あるいはデバイスを1ノードとしています。ここに紹介されている数値は、業界内の見識、HMS独自の販売統計情報、市場における全体的な認識を合わせた HMSによるまとめです。