エスターライン・コネクション・テクノロジーズ―スリオは、数十年にわたり、原子力産業でも活躍してきました

2018-04-12
多くの産業分野では、プロセスの制御や機器の安全性を確保するための電気・電子システムが欠かせません。そして、そうしたシステムを相互接続するにはコネクタが必要です。もちろん原子力産業も例外ではありません。スリオは、原子力産業のリーディング企業との多年におよぶ協力を通じて、原子力分野の仕様を満たす豊かな経験を培ってきました。

原子力といえば、特殊な環境の代名詞
原子力発電所(NPP)自体で使われる装置の稼働条件と、核燃料サイクルに伴うオペレーションが同じでないことは容易に理解いただけるでしょう。たとえば、原子炉内で使われるコネクタの脱着が行われるのは、保守検査のための停止時だけであり、40~60年という長期にわたって厳格な接続を確実に保たなければなりません。一方、核燃料サイクルで用いられるコネクタは、頻繁に脱着されるうえ、その過酷な環境に対して堅牢かつ取扱いも容易でなければなりません。原子力発電所での環境に特化したRCC-E規格ではK1、K2およびK3の3つの認定レベルによって、様々な使用区域の安全仕様を満たすことができるようにされています。

どんな過酷な条件にも耐えるコネクタ
現在、原子力発電所に適用される規格としては、ISO 9001とRCC-E(原子炉建屋の電気機器に関する設計・製造の規定)があります。RCC-Eは、原子力産業に特化したものとして、フランス当局が発行し、部品や機器に関する設計から製造、材料、認定および試験まで400ページ以上におよぶ規定が示されています。そのほか、RCC-Eに類似の主な規格にはIEEE Standards Associationが発行したものがあります。また中国は、現在、これら2つの規格に基づいて規定の草案づくりを進めています。

数年にわたってスリオは、K1認定のねじロック式コネクタ8NAについて、欧州加圧水型炉(EPR)の仕様を満たすように改良してきました。現在は、ステンレス製電磁シールドを備えたシェルとレセプタクルを採用しています。これらのコネクタには2つのシェル・サイズがあり、16および20ゲージ・コンタクトに対応した3~24ピン配列を用意しています。原子力発電所内のセンサや機器類の接続にもっとも広く使われているのは、20ゲージ・コンタクトによる12ピン配列です。この8NAシリーズは一連の試験に合格し、RCC-E K1に認定されています。その試験のもっとも重要な項目として、原子力発電所の耐用年数に関するシミュレーション、放射線への耐性、地震や事故に対するシミュレーション、耐振動性、超高圧への耐性などがあります。これらの厳しい試験は、1年間にわたり第三者機関によって行われた後、EDF(フランス電力会社)の専門家による検証を受けます。

核燃料サイクル、ホット・セル、グローブ・ボックスに向けて
ホット・セル内も放射能レベルや温度が高く、さらに化学物質が存在するなど、条件は過酷です。そのため、ほとんどの場合、オペレータは遠隔操作のマニピュレータを使うか、密閉されたグローブ・ボックスを使って装置や物体を取り扱います。そうしたホット・セルやグローブ・ボックス内のコネクタは、原子炉内にあるコネクタほどの状況に曝されることはありませんが、脱着は頻繁に行われます。しがたって、簡単に扱えることに加え、耐久性、信頼性、放射線と化学物質に対する耐性を備えていなければなりません。こうした4つの要件を、スリオのULCプッシュプル・コネクタは満たしています。このULCコネクタでは、4つのシェル・サイズと45種類のレイアウトをご用意しており、同軸コンタクトや電力用および信号用コンタクトに対応しています。また、マニピュレータやグローブ・ボックス内で扱いやすいように、大きめのサイズとし、長いシェルと差込みをガイドするフォークを設けた設計としています。さらに、このコネクタ・シリーズは、格納容器内と外部を接続できるように、シールを備えた隔壁貫通にも対応しています。

スリオのパリ東工場―原子力産業用コネクタの中核研究開発拠点
マロルサン=ブリにあるスリオのパリ東工場は、当社の事業活動のなかで特別な位置を占めています。ここでは、原子力産業のような特殊市場に応える製品を設計・製造しているからです。同工場のエンジニアは、研究機関や主要なお客様と緊密に連携しながら活動しています。さらに、製造工程も、厳格かつ高度に組織化されています。たとえば、あるコネクタを1ロット生産することを任されたオペレータは、製造プロセスの間に必要となる様々な検査を取りまとめて、口頭で連絡を行う義務を負っています。

原子力産業用コネクタの製品マネージャAxel Paréは次のように説明しています。「スリオは原子力産業での経験を通じ、同分野に向けて相互接続ソリューションを提供可能な世界でごく限られた企業の1社となっています。欧州や米国では、すでに強固な市場プレゼンスを確立しています。また、中国でも大きな成長の可能性が見込めるため、上海オフィスを中心に中国でのプレゼンス確立にも取り組んでいます。一方、パリ東工場では年間6,000個以上のK1、K2およびK3準拠のコネクタを製造しています。原子力エネルギ分野は、長期的にトレンドの先を読み、それを一貫して行動に移す能力が求められる市場です。そこで当社の新製品については、CAE(フランス原子力・代替エネルギー庁)のような研究機関と協力しており、ちょうど今、コネクタ付ワイヤ・ハーネスに対してEDFの認定を獲得したところです。加えて、当社のコネクタに光ファイバを統合するという発展性についても研究しています。原子力産業は、スリオの売上高の5%を占めるに過ぎませんが、設計や製造の方法や厳格さ、品質に関する一つの事業モデルであり、スリオのグループ全体に有益な効果を生んできました」。
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